【連載:wedding006/結婚式までのクロニクル】 結婚式までの道のり


(↑挙式当日朝、花嫁になる前にまず台本と進行表と図面を広げて総監督のKさんと最終確認。新郎になる前の彼はハイエース(しかもロング)の運転とケーキや花の運搬。舞台裏はすごーく地味)


さて結婚式は10月16日。その一年ほど前に結婚雑誌を買って士気を高めてみましたが、意外にも最初はやることがない。一般的には「式場を押さえるのは約一年前までに」といわれていますが、それは人気の日取りや、結婚式向き式場を予約する場合の話であって、わたしたちが会場を本押さえしたのは約半年前。


ちょうど一年前の12月に塩屋の旧グッゲンハイム邸でのライヴをふたりで観にいく機会があり、帰りの電車に揺られながら「あの庭で」「結婚式ができたらいいな」とほぼ同時に話しだしました。そんな気もちを持ちながらも、実際に会場決定へと動き出したのは5月だったので、なんだか相当のんびりしていたものです。9月後半〜11月前半は結婚式やイベントの人気シーズンで、土日や祝日はすでに予約で埋まっている日もありました(特に大安の日曜日は結婚式で)。実はわたしたちも10月10日の大安の日曜日を最初考えていましたが、先約が入っていたため一週間後の土曜日に。

【約1年前(2009年10月)】
結婚雑誌を購入、イメージの切り抜き開始


【約6ヶ月前(2010年05月)】
会場見学・日程決め・申込・招待客に日程だけ伝える
帝国ホテルのブライダルフェアに行ってみる


【約5ヶ月前(2010年06月)】
手伝ってもらいたい友人にオファー・第1回企画ミーティング・食事会ケータリング依頼・会場下見


【約4ヶ月前(2010年07月)】
招待状制作・招待客リストアップ


【約3ヶ月前(2010年08月)】
招待状発送
ドレス試着(1回目)、ヘアメイク打ち合わせ


【約1ヶ月前(2010年09月)】
引出物・引菓子発注
ケーキ・装花&ブーケ発注
新郎衣裳試着・採寸・オーダー
会場へ図面提出・レンタル備品の依頼


【約1週間前(2010年10月)】
ドレス試着(2回目)・アクセサリー決定
進行表&MC台本作成・BGM編集開始・飲料や資材の買出し


【2日前】
新郎衣裳到着
MCを交えての最終ミーティング・結婚証明書の作成


【前日】
会場にドレス到着・会場設営・ヘアリハーサル&フェイシャルエス


【当日朝(午前4時まで)】
BGM完成・進行表&MC台本最終稿完成


【当日朝(午前6時から)】
飲料・備品・新郎衣裳・引出物・引菓子の運搬、ケーキ&装花のピックアップと運搬


【当日(2010年10月16日)】
挙式・親族食事会・BBQパーティ

5月に会場を決めたことで気もちが盛り上がったものの、まだまだやることがありません。すぐにしたことは、すべてを持ち込みになることがわかっていたので、手伝ってほしい友人知人に声をかけたこと、招きたい親族や友人たちに日程を電話やメールでお知らせしたこと。そして自分たちがやりたいことが現実的に実現できるかどうかを、ブライダル業界で働く二人のブレーンに話して一緒に揉みこんでいきました。

その頃にやっておいてよかったなと思うのは、結婚雑誌やブライダルカタログからの切り抜き。自分の好きなタイプのドレスや装花やカラーリング、演出や進行で取り入れたい要素などをファイリングして、打ち合わせ用の資料にしました。

雑誌をめくって「いいな」と手をとめたページをジョキジョキ切り抜く。そうすることで、自分はシンプルなフォルムで刺繍やレースをあしらった凝った質感のドレスが好きだということや、ヘアメイクはすっきりと大人めに仕上げたいということ、深い赤あるいはクラシカルな色のフラワーアレンジが好きで、調度品やテーブルウェアは白やこげ茶のカラーリングに惹かれ、乙女チックではなくシンプルで上品なデザインのアイテムを選ぶことがわかってきました。これは「やる気はあるのにまだやることがない」時期にこそできること。

同じ頃、帝国ホテルのブライダルフェアにも出かけました。これも行っておいてよかった! わたしたちの場合は「これは自分たちには必要ないな」と感じることが多かったのですが、一流ホテルで挙げた場合の食事や演出などを体験できるのは参考になるし、最新モデルのドレスのショーもあるし、一般的な費用(上代)の相場もわかるし、そもそも結婚前にしか行く必要のないイベントだし。せっかくなら自分が好きなホテルのブライダルフェアは行っておいたほうがいい。東京だったら、ペニンシュラコンラッドは行っておきたかったなあ。

わたしたちのスケジュールで、絶対的に遅かったのは衣裳決め。レンタルの場合は、ボヤボヤしていると他の人に借りられてしまうので、こればかりは早いほうがいいのかなと思います。とはいえ、あまり早い時期に決めてしまって体型が変わるといけないので(妊娠しちゃう人もいるだろうし)、半年前くらいでいいのかな。試着までに自分の着たいドレスのイメージを具体的にしておいて、実際に着てみてその形やデザインが自分に似合うかどうかを判断することになるので、人によっては時間や手間がかかるのかも。
わたしの場合は東京の事務所に出向いて、まず200着以上の写真から4着のドレスをピックアップし、実際に試着してタイプの違う2着まで絞り、大阪に送ってもらって友人と彼の前で試着して1着に決めました。その後、また東京の事務所で決めた一着を試着してヴェールやアクセサリーを選んだという流れ。東京に行く仕事と兼ねていたので、結構ぎりぎりになりました。しかし、ドレスが決まるとテンション上がるよね。
新郎衣裳はドレスに比べると選択肢が少なくて(200着以上あるドレスに対してメンズは10着程度)本当に申し訳なくなるくらいですが、ひらくくんには「自分の体型に合わないのを着るのはイヤ」という信念があって、「肩が張ってるのはイヤ」「色は黒がいい」「テカテカしていない素材で」「エナメル靴もイヤ、先っぽが尖ってるのもイヤ」という細かいこだわりがあったので、結局セミオーダーで。ギリギリのスケジュールで決めたのですが、オーダーメイドにして正解でした。ドレスにばかり目が行くけど、新郎衣裳はかなり重要。

おおむね結婚式というものは直前にバタつくものですが、前日〜当日朝の追い込み期にBGMを作ったり台本を書いたりという「実作業」ぶりが、わたしたちならではだったなと思います。

前日は神戸のホテルに部屋をとってエステを受けたり、札幌から来ている家族と食事をしたり、夜は早めに休んでハレの日に備えたい……なんて考えていたけれども、蓋を開けてみれば早朝からハイエースでケーキや花を運ぶ(しかも阪神高速が渋滞で遅刻する)という、ぜんっぜんゆったりしていない現実でした。それも楽しかったんだけどね。やっぱりちょっとハードだったよね。