絶賛発売中の「座頭市映画手帖」ですが、高円寺の「高円寺文庫センター」と「円盤」にもおいていただきました。どちらのお店もすてきです。今日は円盤で倉知久美夫さんの『I heard the ground sing』を購入しました。倉知さんの声の流れと言葉の選びかたは本当にすてきだなあ。

Y氏の月曜映画史講義。本日のテーマは「"it"の映画史」。倫理規制が厳しかった1920年代には、映画の中で「セックス」と口にすることも、ダブルベッドを映すこともできなかった。そこで生まれた隠語"it"。セックス・アピールを表す「ナニ」が最初に登場したのは女流作家エリナ・グリーンの小説『it』。これが映画化されて大ヒット(1927)。主演のクララ・ボウはボブカットのモダンガールで、デパートの売り子。その「it」でいかにして若社長を落とすか、という呑気なお話。このクララ・ボウが小柄でチャキチャキ動く娘さんで、お色気というよりも可愛らしかったのが意外だった(と同時にわたしは勇気づけられました)。関連作品として、スクリューボール・コメディの代表作、レオ・マッケリー『新婚道中記』(1938)を観た。小津安二郎のトーキー二作目『淑女は何を忘れたか』(1937)も。この「何」が「ナニ」で「it」なのでした。ビリー・ワイルダーの『お熱いのがお好き』(1959)の原題は"Some Like It Hot"、この「it」を体現するのがマリリン・モンロー。にやにやしながらスクリーンを眺めて、終了後、Y氏から「座頭市映画手帖」について「がんばりましたね」というお言葉をいただく。うれしくってわたしくらくらした。

『ステップ・アクロス・ザ・ボーダー』の輸入盤DVDを購入。この映画、三年前の「東京の夏」で草月ホールで観たのだった。あのときは誰が誰なのかよくわからなかったけれど、初めて観てとにかく驚いた。こんな音楽が世界にあるんだということ、それまで全く知らなかったのだ。

仕事終了後、月島でもんじゃを焼く。梅酒の水割りをジョッキで二杯。さいきん平日にお酒と付き合うことが多くなった。寒いからかな。爆笑をつれて赤ら顔で帰宅。でも妙齢の女の子だから、ポーッとした頭で明日の朝のことを考えて、ちゃんとアルコールを抜いてから寝るのです。