2004-08-01から1ヶ月間の記事一覧

結局『アメリカの夜』はくりかえし三度観て、同じシーンで涙ぐみ、ついには字幕なしで眺めてはただただ笑った。嵐の夜半には『雨に唄えば』をふとんのなかから観た。この映画の素晴らしさは世界中のいたるところでみんなが微笑んでいるからいまさら言うこと…

フランソワ・トリュフォーの『アメリカの夜』。ドリュリューのメインテーマがかぶさる中盤のあのシーン、何度観てもやはりわたしは飽きずに必ず涙を流してしまう。笑いながらじんとする。そうだ、なにかが動いていく現場が好きだ。机上のうやむやなんてだい…

スカートの裾をたくし上げてホームを爆走したにもかかわらず、湘南新宿ラインは一分の差で出発したあとだった。平謝りから始まった土曜日。逗子駅前の定食屋で甲子園テレビ中継を眺めながら海鮮丼を食べ、満腹になったところで葉山の一色海岸へ。日傘をさし…

ユーロスペースでチョウ・ジェウン『子猫をお願い』(2001/韓国)の最終回を観た。高校を卒業して社会との折り合いを見出すまでの道を、各自それぞれに迷走していく五人の女の子たちのおはなし。二十歳の頃、そのとき絶望は希望と同義語であり一瞬の爽やかさ…

親孝行を投げ出してひとり出掛けたのは「ライジングサン・ロックフェスティバル」。まずはフジロックで観そこねた無戒(向井)君の弾き語り。いつしか記憶は妄想にかわるーとかなんとか叫んでいた。砂ぼこりのなかで肉にかじりつく函館夫婦のもとに押しかけ…

入谷なってるハウスで不破大輔さんのベースと立花秀輝さんのサックスのデュオを観た。渋さチビズのライヴで、ああいったいどこに行っちゃうんだろうといつもわくわくさせてくれる、しなやかな遊び心のある立花さんのサックス、その展開と奏法ともに耳だけで…

押入れの整理をしていたらずいぶん前の映画芸術かなにやらの記事コピーが出てきた。読まずにしまいこんでいたのだ(くれたひとはえらそうな顔をしていたけど、あいつも、きっと読んでいなかったにちがいない)。ちょうど『秋津温泉』を観たあとだったので面…

恵比寿ガーデンシネマでモーリス・ベジャールと彼のカンパニーを追ったドキュメンタリー『ベジャール、バレエ、リュミエール』(2002/スイス)を観た。新作公演までの日々のあれこれを追う舞台裏企画は、「現場主義」「祭好き」にとってはそれだけでじゅうぶ…

午前五時半、浴衣の衿から飛び出た左腕が寝違えてしまって動かない。朝市も朝湯も逃してひたすら腕をいたわる。『キルビル』でユマ・サーマンが足の小指を動かしていたシーンを思い出した。三十分後にようやく動くようになったので出掛ける準備をして階下へ…