2003-06-01から1ヶ月間の記事一覧

−−午前一時のミスハタリ。森崎東『黒木太郎の愛と冒険』(1977/馬道プロダクション+ATG)。北国育ちにとって物心ついたときから田中邦衛は黒岩五郎あるいは「愛ちゃん」の小父さん(ストーブのコマーシャル)なのだが、野坂昭如かと見紛うサングラス姿で…

実はデートコースペンタゴン・ロイヤルガーデンのライヴをみたのは今日がはじめてだった。「大友さん脱退以後」というふれこみなのに、替わりのギタリストが「June」を「七月」と勘違いして本国に帰ってしまったとかなんとやらで、大友さんが出てきてギュイ…

今夜は編集者の鑑のような小父さまにお会いした。S氏はとても物識りで、でもそれを鼻にかけることは全くなく、わたしのような「二十一世紀のなまくら者」(これ最近の自称コピー)の四方山話にものってくださる懐の広い方。血盟団事件から着物談義、小沼勝…

「ああ幸福な他人の眼。自分のものを創造するために気違いになることが誰にもできるものなら。気違いになれずにいながら、さも気違いらしく振舞わねばならぬことの苦しさ、苦しさ。その高校生もやがて気付くに違いない。自分を駆り立てているものが芸術への…

牛肉を喰うと胃炎を招く、幾つになってもこれ赤貧胃腸虚弱者の定例。ゆえに午後一時のアポ仕事だけを片付けて早退。布団の上におとなしく寝転び、昨夜しまいまで観られなかったポール・グリモー『ターニング・テーブル』(1988/仏)を観た。彼の作品で声優を…

Y氏の月曜映画学校。今週も引き続き「アニメーションの映画史」。三十年代にディズニーと競合した人気漫画映画作家デイヴ・フライシャーの「ベティ・ブープ」や「ポパイ」を観たのち、フランスのポール・グリモーの短篇作品集『ターニング・テーブル』(198…

ここ最近、井上光晴の『心優しき叛逆者たち』(新潮社)をよんでおります。たくさんのひとが出てきて混乱しつつも夢中になり電車を乗り過ごすこと多々あり。さて、今夜は原一男『全身小説家』(1994/疾走プロダクション)をビデオで観た。癌の手術を重ねた晩…

今夜のわたしはとてもくやしい気持でいっぱいだ。花の中年御三家コンサート(野坂昭如・永六輔・小沢昭一)をみのがしたから。前売チケットはすぐ完売してしまったのですっかり日時をわすれていたのだ。あー渋公に当日券を求めて並びにいくのだった。なんな…

吉行淳之介『湿った空乾いた空』(新潮社)を読んだ。四十を過ぎてまだ海外に出かけたことがなかった吉行を、愛人がすべての手筈を整えて海の向こうに連れ出したのだ。家庭を捨て、女優で歌手の愛人MM(宮城まり子)と暮らしはじめた吉行は、愛人のことを…

仕事帰りに京王線にのって千歳烏山「壷」へ。先月見逃した、不破大輔さんと佐々木彩子さんのライヴ「大・ちゃんのどこまでやるの?!」の第二回目。ここのところ演奏を控えている不破さんのウッドベースと、奔放でありながら実のところ非常にセンシティヴな…

雨で湿った井之頭公園は土と水の匂いが鼻腔を冷やしこれが意外と気持良い。さて、黄色い電車に乗って女の子がふたり吉祥寺にやってきた。井之頭公園を散歩中、「アムールヤマネコとアジアのヤマネコ展」というポスターに惹かれて公園内の動物園(井の頭自然…

夜、お誘いを受けて新宿にライヴを観にいく。DEERFOOFの来日公演で、対バンはパニックスマイルとKIRIHITOと54-71。どれもすばらしかった。DEERFOOFは男前三人と小さい日本人の女の子という取り合わせで、こういうのどこかで観たことあるかなという気もしたが…

井上荒野『ひどい感じ――父・井上光晴』(講談社)を一日で読み終えた。孤高の嘘吐きであった父親と同じく小説家となった著者が、「チチ」(と、家族は井上光晴のことを呼んでいた)が故郷と言い張った佐世保、崎戸を訪れながら、嘘を真として生きたある男の…

ヘルツォークを観に行こうと思い立ち、映写機をまわしている友人に電話をしたら「きてもいいけど、二時間半観ても十五分も進んでいないような映画だよ」と言われたのでやめにした。そのかわりにギャラリー小柳に立ち寄ってソフィ・カル展をのぞいた。わたし…

『マトリックス』を観ようという誘いを別の『マトリックス』を観ようという誘いでお断りしたもののつまるところ結局仕事が終わらずにすべて御破算になった月曜日。オーガスタス・パブロは男前だなあと思いながらひとりものの夜はふけていく。三色混ぜこぜの…

真夏のような天気だ、と思ったが最後、ちょいと痩せたのをいいことにランニングシャツ一枚で家を出た。サングラスもかけたいところだけど、レンズの色が濃すぎてうさんくさいので却下。今日も今日とて吉祥寺パトロール。中道通りのカエル専門店で夏用グラス…

ついうっかり財布を忘れて家を出た。新宿にて休日仕事を済ませるも、財布がないので吉祥寺に戻る。午後五時、財布を抱えて再出発。吉祥寺パルコの屋上から見た夕陽がうつくしかった。休日ですもの、と、かわいい格好して町歩きしていたけれど口説かれること…

エリア・スレイマン『D.I.』(2002/パレスチナ)を観た。カンヌ映画祭で国際映画批評家賞(最優秀作品賞)/コンペ部門審査員賞を受賞したという、カンヌ初出品のパレスチナ映画。監督エリア・スレイマンは主演(?)もしていて、ただし一言も言葉を喋らな…

渋谷に出てユーロスペースでトリュフォー映画祭。また満員で床に座布団を敷いて観あげた。『二十歳の恋』と『ピアニストを撃て』。前者のオープニング、パリの町並を俯瞰で眺めたショット、そして通りを隔てたお向かい同士が窓から顔を出して食事に誘うとい…