2003-07-01から1ヶ月間の記事一覧

今日はペドロ・アルモドバル『トーク・トゥ・ハー』(2002/スペイン)を観た。感動したくてやってきたマダムにも、あるいはストーキングの無気味な話を苦笑いしにきた人にも、双方とも小首を傾げてしまいそうな映画。デデデデデデスコミュニケイションの美学…

寝袋からはみ出た寝惚け顔に雨があたった午前四時四十五分、友人に起こされて目が覚めた。夜通し続いていた騒ぎを背景にいそいで基地を撤収し苗場をあとにする。これにて今年のフジロック終了。新幹線に乗る前に越後湯沢駅近くの外湯「駒子の湯」で朝風呂。…

新潟は越後湯沢まで寝袋野宿一泊二日の「フジロックツアー」。今年は事前親睦会も開いて用意周到な妙齢女子四人のツアー。幸い、昨日までの梅雨の名残はやっと去りゆき新幹線を降りたときには青空が広がっていた。ワッショイ! イベントに挑む時はミーハー心…

DEKOこと女優高峰秀子が劇作家川口松太郎(『鶴八鶴次郎』『愛染かつら』など)の人生について本人の話を聞き書きした『人情話 松太郎』(潮出版)を高架下のよみた屋でみつけた。七十年代生まれのわれらにとって、川口松太郎とはその御名より先に川口浩…

六本木ヒルズの映画館にジャック・タチ『プレイタイム』(1967/仏)を観にいった。プリントが美しく修正されていて、ユロ氏ウォッチングの愉しさも倍増。冒頭、ここはオフィスか病院かというような無機的なロビーにさまざまな人々が行き交い、大荷物を運んだ…

夜が明けても雨。午前六時に健康ランドをあとにする。飯田の地図は縮尺がいいかげんで、すぐそこにあるはずの駅まで三十分以上歩き続ける始末。農業高校の横を歩くと堆肥の匂いがぷうんと流れた。無人駅のホームから手動の扉を明けて飯田線。重たい曇り空か…

いよいよ「青春十八きっぷ」の季節到来。朝九時の中央線下り列車がわたしとホリデー気分をボックス席に乗せて出発のベルを鳴らしたらささやかな夏休みのはじまりです。相変わらずの曇り空に一抹の気の迷いを残しつつも、ひとり旅の道連れは「えびせんべい」…

文京の朝顔ほおづき市に行こうかと思っていたのに朝から鈍い天気でいまいち気持が盛りあがらない。掃除を済ませてから、鞄にピアニカを差して家を出た。新宿で今日が初日の豊田利晃『ナイン・ソウルズ』を観る。二十歳から五十歳まで九人の男たちの青春映画…

曽根中生『唐獅子株式会社』(1983/東映)を観ました。小林信彦の同名小説に惚れこんだ横山やっさんが「これ主演でやりたいンや」と脚本家笠原和夫のもとに持ち込み(結局笠原は脚本ではなく構成という形で参加した)、お正月娯楽映画として売り出された芸人…

埴谷雄高『死霊』を読んでいる。現在第二章。濃密な対話ばかりが重なり遅々とした時間がそのまわりをドロリと取り囲む。第一章のはじめであまりにまどろっこしい物言いに早々に躓き、この乗りきれなさは中学生のときにヘッセの『車輪の下』(母親に薦められ…

『ノーマン・マクラレン作品コレクション』、三枚組のDVDに五十作品が収録、その多くが日本初ソフト化の映像ばかり。一九四十年頃、イギリス郵政局映画部からカナダ国立映画制作庁へ、ドキュメンタリーとアニメーションが合流した地点でノーマン・マクラレン…

頭は眠いが腹が苦しくて寝られないという午前三時の現状。鉄板の上で焼かれたモダン焼きはとうに消化されているはずなのに、いまだこの胃の膨らみは胃腸が消化機能を投げ出したあかしだ。足裏の消化器系反射区を南国の浜辺に打ち上げられたサンゴの先端で押…

渋谷ツタヤでのこと。いくら棚を探しても見当たらないと思ったら、マイケル・アンダーソン『八十日間世界一周』(1956/米)のビデオは「キッズ・コメディ」コーナーにあったのだ。十九世紀末に発表されたジュール・ヴェルヌの原作をもとに、絵に描いたような…

通知が無いのをいいことに半年間目をそらし続けてきたアパートの契約更新。ついに正面対決のときがやってきた。大家自ら新聞受けに更新手続書を投げ入れるという直接行動にでたのだ。払いますよ、払いますとも。この半年間に書類を送ってこなかったのはそっ…

今日の成瀬巳喜男特集上映は幸田文原作の、芸者商売の家に集まる女ばかりの擬似家族ドラマ『流れる』(1956/東宝)と、高峰秀子演じる戦中派の女と加山雄三演じる軽薄の時代の若者がひとつ屋寝の下で暮らす『乱れる』(1964/東宝)。開映直前に出向いたら満…

土曜の真夜中のこと。自転車にのって吉祥寺駅前の映画館へ。マック・ジー『チャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003/米)のオールナイト興行。入口でチケットを渡して真ん中の席を陣取ってから、「ギャッ!」と大事なことを思い出す。今夜は池袋新…

念願の「カッパ」のもつ焼きは素晴らしくうまかったのだ! 九時には閉店日曜祝日は休業、窓越しに覗いてみればコの字型のカウンターに客がびっしり座り、そのぐるりを席が空くのを待たずに立ち呑みする人たちが囲み、もつ串を焼くのは職人気質の親爺さん。う…

新文芸坐にて「成瀬巳喜男映画祭」。今日の目当てはずっと愉しみにしていた『石中先生行状記』(1950/東宝)。リンゴ園の娘に惚れた青年が彼女に近づく口実に「あの畑のなかに戦時中に埋めたガソリン缶が埋まっている!」と嘘をついたり、町に「裸レヴュー」…