2008-08-01から1ヶ月間の記事一覧

八月札幌夏仕舞 5 札幌「モエレ沼公園」

ずっと行きたいと思っていた、札幌市東区の「モエレ沼公園」。モエレ沼公園は、イサム・ノグチのマスタープランに基づいた札幌市街地の緑化計画によって生み出された広大な公園。ゴミ埋立地を基盤整備して、山をつくり、池をつくり、木を植え、芝が敷かれた…

八月札幌夏仕舞 4 小樽手宮「小樽市総合博物館」

そんなわけでいまいち煮え切らない「山線」のモヤモヤを晴らすべく、小樽で下車して手宮の「小樽市総合博物館」の本館へ。交通記念館の施設と、博物館と科学技術館が合体してできた施設なのだけれども、広い屋外展示場にはたくさんの保存車両や、線路、転車…

八月札幌夏仕舞 3 函館本線「山線」昆布駅

十八まで札幌で育ったわたしの生まれは、「札幌市」ではなく「倶知安町」という町だ。北海道が誇る立派な山のひとつ羊蹄山の麓、名産はジャガイモという、ひじょうにのどかな「ザ・北海道」が広がるエリアだ。その頃は母の実家が羊蹄山の麓にあり、里帰り中…

八月札幌夏仕舞 2 北の良心「キコキコ商店」

毎度おなじみ中島公園そばの、珈琲豆と豆本とCDのお店「キコキコ商店」。空間の居心地のよさと、おいしいおやつとごはんに惹かれて、札幌に帰るたびに訪れては何時間も長居してしまう一軒家。いい意味で「吹きだまり」になっていて、CDの品揃え(とくにオフ…

八月札幌夏仕舞 1 序:おみやげと猫のこと

八月の終わりの、盂蘭盆に間に合わぬ不孝者の里帰り。前回(→「ミスハタリの道北旅」/200802)のようなより道はがまんし、東京〜東京の直行直帰。八月二十八日から三十一日まで、残暑というより初秋の町を散歩し、すこしだけ遠出して鉄道に親しんだ小噺でも…

夏のしっぽ――八月前半の記録

夜と朝のあいだをまたぐみじかい眠りから覚め、ぼんやりとした欲望の世界から逃げていくおかしな夢のしっぽを、名残惜しくググッとつかまえなながら、夏が飛んでいっちゃうと、不意にあせった八月は残暑。夏のしっぽをつかまえて、どうかこのまま飼いならし…

ミスハタリ 水の旅 8 穂高安曇野わさびの風 

湯上がりの白馬駅をあとに、まだまだ旅はつづきます。12:26発、大糸線を南下。パノラマを楽しむためか、窓には日よけがないので、どうしたってまぶしい。この区間は「ムーンライト」では寝ているか寝ぼけているか、いずれにせよカーテンを開けるには早い午前…

ミスハタリ 水の旅 7 白馬「倉下の湯」再訪 

サンキュー、大糸線! この、すばらしい映画を一本観終えたような清々しい満足感ったらないね。ここからは電化区域、クハE126系の電車に乗り換え。9:40、南小谷駅発。キハがクハになり、クロスシートがロングシートになったところで急に興がさめるのは、キハ…

ミスハタリ 水の旅 6 大糸線の恋

午前5時半にベッドから飛び起きる。コーヒーをのんでドーナッツの朝食を済ませ、早く出るには惜しい快適なホテルをあとに富山駅へ。今日も晴天。6:32、直江津行きの北陸本線各駅停車が富山駅を出発。北陸本線でお馴染みの白とブルーの車両。正面の顔が平べっ…

ミスハタリ 水の旅 5 富山「オークスカナルパークホテル」

富山に来るのは二度目(昨年は乗り換えのみ)。町に出るのは学生時代の空手道の東日本大会の遠征でやってきた以来だ。羽田空港でキャンセル待ちをし(どうして遠征なのに、そんな博打をしたのかと今あらためて問いたい)、出発案内に急かされる空港内を空手…

ミスハタリ 水の旅 4 猪谷駅の夕暮れ

猪谷駅はJR東海とJR西日本の境界駅。到着した列車から降りたひとは十人もいない、ほぼ旅人のようだ。富山行きの列車が出発するまで二十分ほどあるので、駅前の道を下って神通川のそばまで歩く。猪谷駅の手前で県境を迎え、分水嶺を過ぎた川は神通川と名を変…

ミスハタリ 水の旅 3 添い遂げゆく水、高山本線

郡上八幡から美濃太田に戻り、高山本線に乗り換え。今日中に富山に着けばよしとするなら、このまま「青春18きっぷ 鈍行の旅」をつづけるのだけれども、今回の旅路の目玉は、昨年九月まで不通だった「角川駅〜猪谷駅」の区間で、ぜひともここは暗くなる前に走…

ミスハタリ 水の旅 2 郡上八幡、河童の飛躍

とちゅう、車窓から「みなみ子宝温泉駅」を見遣りつつ、9:40、郡上八幡駅に到着。まだ午前中だというのに暑さが厳しい。水が恋しい。郡上八幡の駅には郡上おどりの提灯が下がり、この路線では珍しい有人駅なので賑やかに思えたが、駅前は酒屋が見えるだけで…

ミスハタリ 水の旅 1 かなわぬ夢、越美南線(長良川鉄道)

はじめまして、長良川鉄道。高山本線の美濃太田駅のいちばん端のホームが長良川鉄道の発着場。JRから乗り継ぐためには改札をまたぐ必要が一応はあるものの、長良川鉄道の駅舎が独立してあるわけではなく、国鉄時代の名残そのままに間借りしているような風情…

ミスハタリ 水の旅 0 水と緑と鉄道とわさびの幸福

乾いた町で、定期券をかざして毎朝毎夕同じ通勤ルートを繰り返す。ベランダに咲く朝顔にこころが爽快になるのは悲しいかな午前七時半のほんの一瞬だけで、ずいぶん前に夏の扉をノックしたのに、わたしのなかで夏はなかなかはじまらない。なにかが足りない。…