雨と鬼頭ブラスと名古屋の夜

名古屋天白区平針のサニーサイドにて、鬼頭 哲 ブラスバンド のワンマンライヴ。雨で足元の悪いなか、ご来場いただきましたみなさん、ありがとうございました。さらに新しい風景が描かれた新曲も二曲交えて、ここ最近とはちょっと変わったセットリストでお送りしました。実に、一年ぶりのサニーサイドでのライヴ。わたしがこのバンドと関わるようになったのは、一年前のサニーサイドでのライヴあたりからだったのです。

この一年間、このバンドはさまざまなシーンに出会ったのではないかなと思う。舞台で演奏している面々は、顔ぶれが多少変わったり、新しい仲間が増えたりと、物理的な変化も多くあるのですが、この一年でずいぶん表情に余裕が出たなあと感じました。顔つきも、音の厚みも、瞬発力も。無音の状態で不安を抱かせないということがなんと逞しいことか。今回はスタープレイヤーが際立つのではなく、バンドの全体像がハッキリと輪郭を目立たせたようなライヴだった。それはとても素敵なことなんじゃないのかなと思う。五年、六年と活動しているバンドだから、古くから観ていたり参加しているひとにはここ一年の鬼頭ブラスに対してなにか文句があるかもしれないけれど、少なくともわたしは、二年前の夏に同じサニーサイドで「鬼頭 哲 ブラスバンド」と呼ばれていたバンドを観たときとは比べものにならないほど、いま、興味が沸いている。

次回は十月二十三日、名古屋千種文化小劇場の円形舞台でのホールコンサート。ここも一年前と同じ会場。「十月の絶唱」が、どのような姿で更新されるか、たのしみなハナシじゃないの?

【鬼頭 哲 ブラスバンド】 http://kito-akira.com/brassband