みそは異なもの味なもの

友人の新居祝いに押しかけたら、そこは昭和だった。なつかしい「社宅」を感じさせる白くて四角い、豆腐のようなマンション、せり出した手すりは赤や青。緑色の門を開けると、子どもの頃のわたしが縄とびでもしていそうな、そんなすてきなところだった。家の中は青畳、青い手すりに手をかけて眺めると、よく晴れた寒い日には富士山が遠くに見えるらしい、そんな、富士見の新居に、大豆が煮える甘い匂いがした。こんな家にはつむぎの袖をたすきがけにした奥様がよく似合う。

たくさんの大豆をすりこぎでつぶして、米こうじと塩と種みそを混ぜあわせ、粘土あそびのようにすこしふざけます。泥んこボールのように丸くしたものを容器にギューッとつめこんで、塩をふったら出来上がり。あとは半年だか十ヶ月だか待てば、この手前みそでみそ汁が作られるそうです。

手前みそを持ち帰ってきたところで、手前みそなお話をひとつ。わたしが企画製作で関わっている、鬼頭哲ブラスバンドのライヴが、名古屋と東京であります。なかなかすてきなバンドです。なかなかの粒ぞろいで、寝かしておくのはもったいないです。よろしくどうぞ。くわしくはこちら

とき:二月〇九日 ばしょ:名古屋/A Banquet of Goddesses
とき:二月十一日 ばしょ:東京/ザムザ阿佐谷

【鬼頭 哲 ブラスバンド
http://www.kito-akira.com/brassband

余談ですが、友人宅を目指して自転車で武蔵野を走っていた午後、不意と思いたってかつての吉祥寺ハタリハウスを見に寄りみちをしたら、そこはさら地になっていました。向かいの猫と老夫婦の家屋も! さすがに動揺、傷心サイクリングとなりました。