蚊取り線香を焚いたら六畳間に夏がやってきた。畳も蒲団もそこで眠る自分のからだも夏休みの匂いがする。中央線で目の前に立っていた女子高生がおもむろにキンカンの瓶をとりだして首筋に塗っていた。よく晴れていた空がとつぜん灰色に濁り出し、ベランダの…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。