渋谷に出てユーロスペーストリュフォー映画祭。また満員で床に座布団を敷いて観あげた。『二十歳の恋』と『ピアニストを撃て』。前者のオープニング、パリの町並を俯瞰で眺めたショット、そして通りを隔てたお向かい同士が窓から顔を出して食事に誘うというエピソード、その後の『アメリカの夜』でつかわれているもの。文字通り、二十歳の頃にビデオで観た短篇。なつかしかった。『ピアニストを撃て』は、トリュフォー作品のなかでは小ネタから大筋まで計算高く器用に作りこんだ映画。敬愛するヒッチコック・テイストに溢れ、謎めいたオープニングもドルリューの音楽もアズナヴールの鼻唄も小粋で洒落さを増している。