今日のことではなく一昨日のこと。

宵の口、早めに帰宅して浴衣に着替えてスターパインズでエンケン遠藤賢司)さんのライヴへ。サマージャンボリーと題した八月中のスターパインズ、チケットを買いに行ったときに「浴衣をきてくるといいことがあるよ」と貼り紙がしてあったのでその通りに浴衣を着て出掛けたわけだが、入口で渡された「ゆかた券」をバーカウンタに持っていくと男前なお兄ちゃんが星型の手製クッキーをくれた。家庭科の授業で焼いたような堅いクッキーをボリボリ齧りながら開演を待つ。「純音楽の友の会」第二回目、ゲストは鈴木慶一さん。あーもったいないーと涙目になるほどうれしい組み合わせの二人が横に並んでギターを抱えて(ときにピアノを弾き)、サッカー選手の柳沢は「イイ」「駄目」と言い合っていた。鈴木さんが高校時代の作った曲を演奏したり、『不滅の男』で一緒にしこを踏んだり、最後の最後にはやはり名曲『夢よ叫べ』を歌い上げたので客電がついたあともしばし椅子に座ったままじんわりとしていた。大映座頭市』数作の音楽を担当した伊福部昭さんを好きなエンケンが、座頭市が子供をあやすシーンを思いうかべながら作った曲「風車」をピアノで弾き語りしたり、「喜劇はカッコイイ」と三木のり平や伴淳のことを語ったのは、鈴木慶一さんが北野版『座頭市』の映画音楽を手掛けたとか、鈴木慶一さんのお父様が伴淳と共演した役者さんだから、という話が火付け役。

しかし浴衣姿で午後十時半の吉祥寺旧近鉄裏エリア(風俗街のメッカ)を歩くと仕事帰りという感じがするなあ。偽物ですみませんと早足になって路地を抜けたら鼻緒ずれして足がいたい。