htr2003-09-28

休日の遊びかたを間違えた。気持のよい青空に誘われて白いカーテンを洗い、窓から下げていた夏用すだれと取り替えたところまではよかった。できごころで点けたテレビにマルチェロ! 『甘い生活』が再放映していたので狂乱の夜の場面から観はじめ、続けてピエトロ・ジェルミ『イタリア式離婚狂奏曲』(1962/伊)を観た。つながり眉でヒゲが生えている妻に嫌気がさし、若い娘に惚れてしまったマルチェロ・マストロヤンニ男爵。なんとかして離婚できないかと考えるが、宗教の縛りが強くてよほどのことがないかぎり離婚は許されない。ああ、そうか、ヒゲ妻を殺してしまえばいいのだ。若い娘とヤりたいがために、あれやこれやとはりきる腹の出たマストロヤンニがすてきだ。フェリーニ映画のマストロヤンニは奥が深いが、喜劇映画のマストロヤンニは軽くて愉快で愛らしい。ソフィア・ローレンとのコンビの三作オムニバス『昨日・今日・明日』という映画、今すぐ愉快な気持になりたいひとは観るといい。マストロヤンニ万歳、喜劇で主役を張ってこそ二枚目なのだ。やいやい。観終えたら午後三時。「天気が良いから、こんな日は日比谷野音琉球音楽を聴きにいきましょう」と八幡山さんから誘いの電話をいただくも、チケット代の七千円を工面できずに諦める。それでもやはり空は青い。階下の奥さんが三味線を弾き始めたので、ついついこちらはピアニカを吹きはじめてしまった。日が傾いてからあわてて外に出る。井の頭公園をひさしぶりに散歩すると、ずいぶん多くのひとたちが路上に店をひらいていた。あてもなく町を散歩しているうちに夜になったので家に帰った。テレビを点けたらきのうの夜中に観た『總篇 佐々木小次郎』がまた放映していたので、武蔵と小次郎の決闘シーンだけもう一度観た。さんまと青菜をニンニク生姜で炒めたものをおかずにして夕ごはん。地味にもほどがあるとおもうにちよう日。ベランダでは朝顔がまだお盛んです。