きょう観た旧作映画は、若き新珠三千代主演の宝塚映画『娘十八お転婆時代』と新東宝の喜劇『チャッカリ夫人とウッカリ夫人』。新珠三千代は、最初登場したときにはひどいへちゃむくれなのだけど、十五分後にはすっかり愛らしい魚顔になっている。「お転婆」というには無謀にも、自殺に追い込まれた姉の仇討ちに、やくざの親分に拳銃を向ける新珠! とはいえ、シリアスな映画であるはずもなく、少女の向こう見ずな興奮を和らげようと、まわりの男や大人たちが方々から情操教育を施すという愉快な話。彼女の面倒を見る男性は映画や宝塚レヴューを見せ、女社長はファッションショウやバレエを見せ、やくざの親分は彼女に競馬と浪花節の楽しみを教える。新珠がギターを抱えて(弾けないのだが)歌うシーンもあり。しっかりした少女新珠がとてもキュートでキュンとくる。つづいて『チャッカリ夫人とウッカリ夫人』は、お隣同士の茶刈家と宇刈家の奥様のお話。ウッカリしているよりもチャッカリしている方が夫婦仲はうまくいく。だから私はいつの日かチャッカリ夫人になりたい。そのチャッカリ夫人は久慈あさみ久慈あさみは首が長くて涼しい顔立ちで美しい。久慈あさみのファーストインプレッションは『次郎長三国志』のお仲さんだった。そして旦那の茶刈氏は「桶屋の鬼吉」の田崎潤。お隣の宇刈氏は「法印大五郎」の田中春男。テーマソングの服部節が愉快でついつい一緒に口ずさむ。そういや先の『娘十八お転婆時代』のキーマン役が「清水次郎長」の小堀明男だった。『次郎長三国志』以前のお話。