htr2004-01-11

草津よいとこ一度はおいで〜チョイナチョイナ、と思ったら、その合いの手は次にくるのだった。スノーボードもスキーも関係なく、貪欲に源泉違いの湯めぐりをし、ひたすらのぼせた一泊二日。湯畑からの湯は肌あたりまろやかでささくれだったわたしにやさしかった。四角四面なこの性質は、すこしのぼせて湯あたりしてふやけたくらいがちょうどいいのだ。

ディスクユニオンに行こうとショートカットで通った路地で、たまたまアルバイト募集の貼り紙を見たのは三日前のことだった。十五人座れば満席になる半露店の焼鳥屋のカウンタのなかに女の子がひとり立っていた。ビニルののれんをめくって「この仕事は週何回…?」と尋ねたら、彼女は「じゃあ採用ということで」と即答してくれた。さっそくカウンタのなかに入ってエプロンをした。愉快な常連客が集う焼鳥コミュニティ。気づいたら客と客のあいだに座って酒を呑んで酔っ払っていた。夜半すぎに冷蔵庫からトマトと大葉をもらって千鳥足で帰宅。働きにいったのか呑みにいったのかそれとも人生を変えようともがいているのか。いいやそんな深刻なきもちなんて忘れちまったね。ただ狭い路地のなかの雑多な空間が居心地がいいのだ。それだけなのだ。うまくやっていけるといいな。