森蔭さんは鮨屋のようにシャツを売るひとで、その話をきいているうちに「採寸してッ!」と惚れ込んでしまうような魅力にあふれる方だった。久しぶりに頭がよくて器用な商売人に出会った。「好きなことを仕事にする」という言葉の甘さに騙されてはいけない。「消費者」という言葉が出てきたところで縫製の丁寧さと合わせて一気に信頼したのだった。しかしどうしても欲しかった白いシャツのちょうどよいサイズは既に売り切れてしまっていた。残念。かわりに阿佐ヶ谷君にそのシャツをすすめて、高円寺さんと一緒に「似合う似合う」と煽り立てた。それは吉祥寺東急裏のギャラリーで今日まで開催されていた、京都のシャツ屋さん「モリカゲシャツ」の出張店でのお話。http://www.mrkgs.com/

休日。高円寺さんと阿佐ヶ谷君のデートに割り込んで一緒に買い物をしてお茶を飲んだ。「いいかげんにそろそろジェームズ・タレルの光の館に行こうではないか会議」。三月末にシューティング。京都にも行きたいし、東京復活が決まったヨシミちゃんを迎えての温泉旅行も控えているし、春の青春十八きっぷのシーズンには浮き足立つのは間違いない。三月は移動月間になればいい。そのままどこかにいってしまえ!

ひとりになってワルシャワレコード。ずいぶん久しぶりに覗いた。ちんぷんかんぷんなレコードがたくさん。人に甘えて音楽を聴く癖をそろそろ直したい。Joseph Nothingを家でも聴こうとCDを連れて帰りたいと思ったけれど買ってしまうと今夜のラーメンは玉子抜きになるので明日の予定に加えることにする。

一昨日のこと。町の歯医者で親知らずを抜いた。その夜以来、頬が腫れてドーンした鈍い痛みに悩まされている。不明瞭な物事が物理的な痛みという形を得たのだった。穴の開いた箇所はそのうちに埋もれていくだろうし、この痛みもいつしか消えるだろう。もうちょっとの我慢。早くお茶とお酒をおいしく飲めるようになりたい。