日曜日。目黒のクラスカで珍しいキノコ舞踊団の「FLOWER PICKING」を観る。天王洲で「あなたがバレると言ったから」、麻布十番デラックス(現スーパーデラックス)で「フリル(ミニ)」を観たのは三年ほど前のことになるだろうか。六人の小さくて細っこい女の子たちがクルクルまわって音楽にノリノリ。ホテルロビーの喫茶のテーブルの上からお喋りみたいな世界が生まれて二階のギャラリースペースに小さな家を構えて夜になって朝を迎える。その一部始終を眺めて……いるはずが、突如「さあ、みなさんもご一緒に!」との声で観衆の三分の一がわらわらとフロアに集まっていくのだった。ノリノリで「クルクルパチン」や「パフパフ」などの動作を真似したり間抜けなポーズをきめたりしながら会場を一周。隣に座っていた楠田枝里子さんも仲間に入りたそうな顔をしていた。お喋りパフォーマンスや歌が「ユビワみたい」と思ったり、以前よりもどこかフットワークが重たい気がしたのも束の間、やはりキノコには小難しい論理も主張もなく、ただそこにからだがあるから愉快に動くだけなのだった。別室で踊っているのが隙間からちらりと見えたり(ピナ・バウシュにこういうのがあったなあ)、また映像の使い方は本当に上手なヘロヘロっぷりでとてもうれしい。宣伝美術や空間演出、音楽の選びかた、衣装など含めて、指輪ホテルとはまた違う方向にアイディアが豊富でとてもすてきなカンパニー(ユビワも昨年初夏の屋上テニスコート公演を観て以来ごぶさただ)。カシスオレンジを一杯のみ辺鄙な場所から都バスにて脱出。金がないのでおとなしく帰宅し、鯖を焼いて白菜のみそ汁で夜を迎えて休日はおしまい。

月曜日。時世を無視して、駒東ちゃんと鳥料理で乾杯。女子らしい話(男の子の話や化粧品の話、女の生きざまの話、夜遊びの話など)に花が咲く。ライチグレープフルーツ、栗ミルクの甘いカクテル、杏酒のお湯割り、と乙女ラインでほろ酔い。いやはや勉強になります。「女の幸せは男の選びかたで九割は決まるね」などと言い合いながら、帰りの終電車のなかで読むは色川武大の『百』。