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油断していたらガスが止まる。あわてて近所のコンビニエンスストアに駆けていって支払いを済ませたら財布のなかが心もとない。すてきな音楽の誘いがあったけれど我慢してバレエクラスでクルクルまわる。おいしいホルモン焼きを食べたというひとのことを思い、たまらなくモツが食べたくなった。ハモニカ横丁に遊びにいきレバ串とカッパ軟骨で折り合いをつける。たんたかたんのお湯割りで再訪を祝っていただく。薄い財布ゆえ酒串あわせて八百円が限度額。一杯呑んだところで「お金がないのでかえります」と白状したら、隣の人がこれまでの分に加えてその後の呑み食いのすべてをご馳走してくださった。この世でただ酒がもっとも美味い。

バスに乗って千歳烏山へ。壷にて低音環境のライヴ。高岡さんのチューバと不破さんのウッドベースという低音ダブルダイスケユニット。速吹き速弾きの超絶演奏なのだけど低音だから床の低い位置からボヨーンと響いてくるのが心地良い。ここの砂肝ポン酢はすてきな酒のアテ。わたしは梅酒お湯割りを呑み干すと梅の実にまでかじりつくようないやしい子です。「楽器を演奏するのはえてしてからだに悪いものです」、これ名言。

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補足
１　無頼者は女で破滅するのが本望なんて思うのはぬるい。
２　武田百合子さんは「食べる」だけでなく「出す」ことも差別せずそのままに書く。その開けっぴろげなところがいやだなあと思うのももちろんありだし、彼女の身近にいた埴谷雄高や色川武大などはそこも含めた上で「天衣無縫の文章家」と絶賛しているのだろう。だからそこを無視して食う寝るなすてきな女性モデルにおさめてしまうのはちょっともったいないような気がします。
３　ずいぶん前に引用した『死霊』のミニクイズの答えは「睡眠」。