htr2004-03-24

冷たい雨の夜、ハモニカ横丁のカウンタで「車掌」の配達を待っていた。「車掌」とは塔島ひろみさんが編集長をつとめるミニコミで、げっぷの指示に従って旅に出たり、見ず知らずの人を一日尾行したり、みんなで「南洋貿易」について調べてみたり(あるいは想像)、とにかくどうでもいいことに対してどうでもいいスタンスのまま大真面目に取り組むというとてもいい年の大人が作っているとは思えないすてきな雑誌。車掌営業部に「一冊くださいな」と注文すると、車掌営業部員でライターの神田ぱんさんが吉祥寺まで直々に配達してくれるという。ぱんさんとは、以前、根津で蕎麦を食べる会にてご一緒して以来(二年前くらい?)の再会で、しかも雨のなか届けていただいたのですっかり恐縮する。さっそく「車掌22-1号」を開くと一ページ目から乱丁。リセル・ビビアンとかいう健康食品のチラシの上に編集長の巻頭言が印刷されている。まったくもって期待通りのうれしい展開。車掌は読むところがたくさんあるのにどれを読んでもあまり役に立たないというのがなんともすてきだ。トイレで読むのにこれほど適している雑誌はない。子供の頃にトイレ新聞っていうのを作っていたんですけどそれに通じる親しみがあります、と、伝えるとぱんさんはひじょうに喜んでくださった(と思う)。その後、「七って数字は本当に難しいですね」「うん、七足す五は難しい」「七×四が二十八、って知ってました?」「え、うそ、あ、本当だ!」「どうしてこんなに七ってのは厄介なんですかね」「やっぱり七は聖なる数字だからだよ」というような会話をすること二時間。車掌は爆笑するのが苦手なあなたにもやさしい読み物です。ぜひ一冊どうぞ。
車掌 http://www.h2.dion.ne.jp/~syasho/

それから今夜引っ掛けた「たんたかたん」二杯は、先日同様また隣の方にご馳走していただきました。まったくもってただ酒はありがたいことです。