菓子と百貨 お早う市

八月さいしょの日曜日、朝から晴天。夏やすみの子どもみたいに早起きをして、バナナヨーグルト豆乳(バナナ一本と無糖ヨーグルトと無調整豆乳をミキサーで十秒混ぜたらできあがり)をマグカップで二杯も飲んで、オレンジ色の自転車に乗って出かける午前八時。「QUEEN'S HOTEL antiques」のお早う市へ。

QHは、以前の吉祥寺ハタリハウスのごくごく近所で、それなのに、このお店のことを知ったのは、一昨日のこと。自転車で井の頭通りを走っていて、その看板を不意に目に留めて見つけたという、ごく偶然のことだった。さらにその前夜、吉祥寺東急裏にある古本屋「百年」の店主さんのブログに「QHの幼稚園椅子をお借りした」と書かれていたのを読んでいたので、いったいそのお店はどこにあるんだろうなあと、のんびり考えながら走っていたところだったのだ。吉祥寺ハタリハウスで暮らしていた八年間、よく牛乳を買いに行っていたコンビニエンスストアを通りすぎたあたりで、通りの向かい側にあるそのお店佇まいに気づいて、ややっ、とあわてて自転車をくるりと反転させたのだった。店の前に自転車を停めて窓からのぞきこむと、お店のなかには灯りがついているのに、ドアには鍵がかかっている。ふむっ、開かない、やいやい、と、ジタバタしていると、お店の方が出てきてくれた。「今日は朝市だったので、もう店は閉めちゃったんです」という店主さん。翌日の朝市のお誘いをいただき、壁に貼ってあった「仔猫あげます」の猫ニョロリを見せていただいた……というのが昨日の午後のできごと。

八時すぎに「QUEEN'S HOTEL antiques」に到着。井の頭通りと裏の小路、二つのドアは開け放たれている。冷房のない古い建物の床で、古い扇風機が回っている。なつかしい柄のポットには冷たい紅茶とコーヒー、そして「お好きな方はどうぞ 五十円」という手書きのメモ。お店の中では浴衣姿の店主さんが、古い雑貨や人形や、古い布や、薬屋の景品や、ガラクタのような宝物や、なつかしいにおいのするあれこれに囲まれていた。ジャム屋「エバジャム」さんが店の裏手で瓶詰めのジャムとベーグルを売っていた。井の頭通りがわでは玄米ワッフルの「夕焼けこやけ」さんが、こちらもやっぱり浴衣姿で甘いにおいを漂わせていた。引かぬ汗を手の甲でぬぐいながら、しばしふしぎな朝の時間をすごす。まだ午前八時半なのに。

八月はお盆があるので前倒しになったそうだけど、いつも「お早う市」は偶数月の第二週末に開催されているそう。次回は十月の第二週、十三日と十四日。ふだんは月曜と火曜日がお休みだそうです。

QUEEN'S HOTEL antique】
東京都武蔵野市吉祥寺南町三の三十二の二吉祥寺駅前からだと、ブックオフやマンダラセカンドのある末広通りを抜けて、井の頭通りにぶつかったら、前進座劇場の先、杉並方面に百メートルくらい進むと右手にあります。