台北・安全な散歩 5 町と好奇心

さて、台北の町を地図片手に散歩をしたお話です。MRT淡水線の中山站(駅)のあたりは豪華な観光ホテルや百貨店やらが並ぶ便利なエリア。路地歩きがたのしい永康街とはうってかわって、こちらは長い地下街や若者御用達のファッションビルを中心とした「都会」。

まずは台湾旅行のお約束、足裏&全身マッサージへ。JAA機内でいただいた観光ブック(これがやっぱり便利だったわー)にも載っている「美楽健康中心」へ。こちらはオーナーが日本人の整体師の方というだけあって、日本人観光客(台湾初心者)にとっては安心できる店。別に歩いていてみつけたお店に飛び込むチャレンジも楽しいのだけれど、以前、バンコクで入った足裏マッサージのお店では、店のおねえちゃん同士が客の足を揉みながらずっとおしゃべりしていて、いかにも仕事をこなしているだけみたいなところに出会ってしまい、がっかりしたことがあったのだ。だからちょっと慎重にはなっていたのだ。こちらは女性ばかりのスタッフで、対応も明るくて好印象。カーテン仕切りの個室に入り、パジャマのようなものに着替えてから揉んでいただきます。数年来、整体指圧難民だったわたしにとっては、大当たりの施術! 終わったあとには視界がずいぶんと明るくなった。六十分で1200NT$と考えると、日本で受けるに比べてさほどお得なかんじはしないけれど(もちろん町のマッサージ屋さんの料金はピンキリ)、ほんとうにヨダレが出るほど上手なオバチャンでした。

【美楽健康中心】中山区中山北路二段25號6F


その美楽健康中心のあるビルを挟んだ大通りの向こう側に建つ白亜の邸宅。これが「台湾之家」アメリカ大使館だったという廃墟同然の建物をリノベーションし、台湾映画の振興を目的として作られた施設なのだそう。理事長は候孝賢監督。館内では、建物の修復工事の様子がパネル展示されていました。大通りに面した側にはカフェ、玄関を入って正面にはチケットカウンタ(となりにミニシアターがあり、月曜昼というのに行列ができていた)、カフェと反対側の部屋には映画関連の書籍やDVDなどを販売するショップがあり、その奥には「誠品書店」。この「誠品書店」や「誠品文具店」は、台北に数箇所ある大型チェーンの書店/雑貨店で、国内外の書籍のほかに、写真集やデザインブック、気の利いたグッズなどが売られているすてきなお店。敦化南路にある本店(敦南店)なんて広い店内にゆとりのある配置で、しかも二十四時間営業だっていうなのよ。地下には雑貨店も(でも文具類の多くは日本製品で肩すかしですが)。東京でいえば、青山ブックセンターにちょっとNADiffが合わさったかんじかな。

【台北之家】 →台北ナビの紹介ページ
【誠品書店】 →台北ナビの紹介ページ(敦南店)


台北之家」を出て、地面の下をMRTが走る方に歩くと、小さなかわいいお店を発見。これが「Have a Booday」。ガラス張りの小さなビル(というか、金沢の町屋みたいなサイズ感)で、一階は雑貨とギャラリー、二階にはカフェがあるというキュートなお店。ここは、台北で活躍するアート集団蘑蝱(MOGU、サイトの文章がぜんぶ中国語だー)のお店。このMOGUのグッズは、誠品書店にも置いてあったりします。のんびりした雰囲気の店内に、おかしな音楽がかかっていて、店番の、ゴツイめがね姿の女の子がかわいかった! MOGUのTシャツというのがまたなんともキュート! なかでもかわいい一枚をおみやげに購入。

 

実はこのTシャツ、模様は水色の糸で刺繍、生地は麻。商品名は「小孩不吃飯」(子どもは食事しない)というそうです。中国語の説明文の大意を翻訳すると「子どもは、食事が終われば遊べるなあ、アイスクリームが食べられるなあ、などと、そればかり考えている」ということのよう。でもわたしは勝手に、「オカッパ頭のハタリちゃんにどんどん小龍包を食べさせよう」という意味をこめてプレゼントにしました。

お店の壁には落書きのようなドローイング作品がペタペタ貼られていました。お店の中の写真を撮るのを忘れてしまったのだけれども、インターネットで探してみると、フォトギャラリーがあったので、どんなお店か気になる方はぜひのぞいてみてください。二階のカフェも楽しい空間なのだろうなあ。今回はカフェには寄らなかったけれど、居ついてしまいそうな心地よさが階上から漂ってきていたのよ。(→店内写真はこちら参照

【MOGU - Have a Booday】 →旅々台北.comの紹介ページ


ほかにも、(値段が)高いお店と(身長が)高いビルの複合施設「台北101」に登ったり、台湾新幹線を見に行ったりもしましたが、やっぱり町なかを散歩するのがいちばんたのしい。台北にまで行って、スターバックスで緑茶ラテをのんでいる観光客のわたしは、なまけているのかもしれないとも思うけれどね、でも、どこに出かけても、基本はいつも散歩です。

ちなみに「台北101」の世界一高い展望室からの景色は見ごたえがありました。観光目当ての商業施設なんてどこも同じでしょ、などとしらけてばかりいないで(これはわたしのことね)、一度登って見る価値があるのでおすすめです。国内線の空港の滑走路や、大きな河、史跡あれこれ、街の喧騒、そして猫空のあたりの山も見えます。


台北・安全な散歩 2007】
1 台風と旅支度  2 出発 3 欧華酒店 4 町と食欲 5 町と好奇心 6 台北商旅慶城館 7 猫カフェにて 8 小龍包と女の子 9 台湾新幹線 10 帰国