旅
この秋から遠出の用事が増え、旅というほど自由気ままではないけれど、これは町を飛び出すチャンス。十月後半は福岡県の博多へ。これまで九州への移動は飛行機ばかりで、山陽新幹線に乗って新神戸駅以西を走るのもこれがはじめて。山陽新幹線は博多駅止まり…
桜がちょうど花開いて町が華やかになったちょうどよいタイミングで、札幌からママハタリがやって来ました。二泊三日の関西旅行を一緒に。大阪在住歴はまだ三ヶ月、案内できるほどくわしくないし、ミーハーだし、なにより散歩の延長ですこし遠くに出かけたい…
大阪から東へ向かい生駒山の腹にあいた長いトンネルを抜けると、そこはもう奈良。生駒山には先日、宝山寺や山上遊園地に出かけたばかり。山のてっぺんには紅白のテレビ塔がいくつも立っていて、遠くからシルエットで眺めるのもすぐそばで見上げるのもどちら…
三泊四日で札幌へ。今年六度目の北海道はすでに紅葉もエピローグ、いつもより相当早い初雪が北風に舞う、冬の勇み足。育った家の裏手には、芝生、丘、池、砂場、運動場、野球場、アスレチック広場、相撲の土俵まで揃った大きな公園がある。小学生のころには…
十月もあと残りすこし。月曜日、雨のヨコハマ中華街にて平岡秀子さんを囲んで、いまだ亡くなった気がしない平岡正明さんのことを偲び(若いときの写真や文章をみんなで回し読みしたりね、若き平岡さんは美青年です)出版界や落語界をネタに編集者の方々と紹…
なんだかパタパタしている、2009年のミスハタリの冒険と計算と日常と旅と人生と労働。九月の北海道旅のつづきだって書き足したいのに、円山動物園のキュートなしろくまツインズにも、ニセコヤミーズのピッツアとビールにも、見事な羊蹄山にも、雪秩父の硫黄…
札幌から小樽へ。気動車キハ天国の北海道でも、この区間は電化・複線路線なのでいまいち面白みに欠ける。見どころといえば、銭函駅を過ぎたあたりで海のすぐそばを走る景色(と、冬場に小樽築港駅のホームに停まっている除雪用の赤い電気機関車)くらいなの…
秋の北海道は札幌小樽ニセコへ、旅をしていました。ふだん、社会のみなさんが勤労している平日にこっそり旅かばんを抱えて列車に飛び乗るミスハタリが、今年は珍しく暦の赤い数字が並ぶ連休に旅をしています。いや、これまでの定義でいえば「旅」というより…
線路沿いでは朝顔のエンディングと曼珠沙華のプロローグが重なっている九月初旬、旅と散歩の記憶を整理していたら、まぶしかった夏休みを思い出しました。八月さいごの週末、名古屋でライヴを終えたあとに近鉄アーバンライナーで大阪へ。よそさまの庭先で木…
熊野の山道をくねくねくねくね走っていくと、熊野本宮のちかくに温泉がいくつか湧いています。そのひとつが湯の峰温泉。日本最古の温泉といわれており、ここの「つぼ湯」は熊野詣の旅人の疲れをいやし、いよいよ本宮大社にいたる直前の禊に使われてきた湯ご…
毎日が夏休みみたいな暮らしをしているくせに、カレンダーの赤い数字や休日の知らせには敏感で、一週間ほどのれんを片付けて「夏休み」に全力投球していたハタリブックスです。一年のほとんどを昼寝と悪だくみと旅に費やしている事情はまあ棚にしまいこんで…
午後三時を過ぎて暑さの峠を越えたら、眠った猫を起こさないようにして出かけます。大阪散歩者ビギナーらしくハナコウエストに載っていた地図を軽くあたまに詰め込んで、まずは玉造から谷町六丁目方面へ。玉造界隈のすてきなお店は以前「OSAKA東区スタンプラ…
今年は勢いあまってすこしぜいたくな夏休みをすごしています。ぜいたくなのは、猫とごはんと気分のもんだい。大阪では天ぷらの締めに紅しょうがが出てくること、淀川の花火は隅田川のそれとはずいぶん趣がちがって迫力があったこと、谷町界隈には気になる古…
六月の半ばからすこし長い散歩に出ていました。梅雨時期だというのに、あまり雨で悩むことのない日日。散歩と甘い記憶のメモランダム。 さいきん出会ったカワイコちゃん。『三好さんとこの日曜日』に出てくる「梅」という名の猫に似ています。 ご利益のある…
六月九日、くもり。旧友ふたりとチビッコといっしょに、山梨県小淵沢「リゾナーレ」へ。中央道チキチキドライブ移動ゆえに鉄道とも無縁で(すぐそばを走る小海線が気になってしかたなかったんだけどな!)、車内でも部屋でもおしゃべりばかりしていた二日間…
花を生けようと花瓶を探すと、テーブルのうえに小粋なガラスの器があった。聞いてみると「fresco」というガラスブランドのものだという。くもりがかった色味、ふくよかなカーブ、絶妙なシェイプ、いっぺんに恋におちた。ほかにもグラデーションやマーブルの…
週末の雨があがり、よく晴れた月曜日。大阪玉造にあるブックカフェ「beyer(バイエル)」に行きました。心地よいうわさをきいていたし、なにかの本でお店の様子を見たことがあったし、「きっと好きなところだとおもう」という声もあった。駅前からアーケード…
朝食後に宇出津をあとにして、時間の許すかぎり能登ぐるりの旅に出ます。まずは赤崎でいちご狩り。露地もののいちごがたった千円で食べ放題。ここの畑のおばあちゃんは、時間制限なんてセコイことは言いません。真っ赤ないちごをぞんぶんに頬張るしあわせ。…
金沢をあとにして、くもり空の下を能登有料道路を飛ばします。能登半島は海だけじゃなく、山のある場所なのだなということが、めくるめく景色で実感。想像以上にアスレチックな土地だった。海沿いの細い道を走って、真脇ポーレポーレで立ち寄り湯。ここの「…
糸魚川駅到着後、名残惜しく写真ばかり撮っていたら、先のホームに「特急はくたか 8号」が到着。大糸線カップルに別れを告げて、12:54糸魚川駅出発。一応は進行方向に向かって右側の席をおさえておいたけれど、海沿いとはいっても、海岸と線路のあいだに道路…
さいきん旅日記をせっせと書いているせいか、どうにも「旅ばかりしていますよね(つまり、仕事してませんよね?)」と言われるミスハタリ、その旅道楽根無し草の称号に恥じることなく、月が変わればまた旅かばんをがばっと抱えて列車に乗り込みます。こんど…
東京で暮らしているものにとって、阪急の車両はやきもちをやいてしまうほどかわいい。あずき色の姿、ライトグリーンの椅子。そして阪急石橋駅の箕面方面行きのホームには旅の匂いがする。 桜井という駅で列車を降りたのは二度目。すこし歩いて「公認阪急桜井…
三月の終わりから一週間も北海道にいました。旅日記はまたあとから書きますが、ひとまず写真とダイジェストで旅じまんを。三月三十日〜三十一日には「渋さ知らズ旅行部オーケストラ」で札幌観光してきました。この「旅行部」というのはミュージシャンやダン…
明日から一週間、いろいろあって北海道へ。一昨年、大所帯で沖縄に遊びに行った(+ライヴもやりました)、渋さ知らズ旅行部、ひさしぶりに発動です。札幌のジッピーホールでライヴを一回行なうけれども、たいがいが観光ではないかとおもいます。当日券はで…
浜比嘉島の時間が正午近くになったら、砂浜からはなれて、日なたの道をしばし歩きます。まだ三月半ばだってことを忘れさせるほどの陽射しの強さ。雨傘を日よけにしてずんずんと歩くのです。島の散歩は、ホテルのある比嘉地区を迷うところからはじめましょう…
午前六時すこし前、まだお酒が残るふらつくからだと寝ぼけたあたまで、テラスに出る。一日のはじまりは見ておきたいじゃないの。 波の音しか聴こえないなんてことがほんとうにあるからびっくりだ。テラスにクッションを持ち出して座り、あたたかいお茶をのみ…
人口六百人程度という浜比嘉島の東側、比嘉地区の丘のうえに建つ「ホテル浜比嘉島リゾート」。旧「マリンリゾート浜比嘉」の建物をもとに、二〇〇八年春にリニューアルオープンしたプチホテル。 オフシーズンかつ客室数がたった二十八室というプチサイズのた…
沖縄の空は、昨日の雲のことなんてすっかり忘れて晴れわたっていた。陽射しがまぶしい、三月なのにすっかり南国の顔をしている。フロントに荷物を預けて、すこし薄着で町へ。国際通りに出てから公設市場の通りを進む。市場で立ち止まらずに、どんどん奥へ。…
那覇で泊まったのは「ナハナホテル」。「往復航空券+那覇一泊」という格安タナボタプラン、しかも「通常のホテルよりアップグレードしたよ」とのうれしい知らせ。サンキュー、旅の女神! モモちゃんと「ナハナハ〜」とふざけあいながらホテルへ。ナハナホテ…
「あの子に会いに、沖縄に行こうか」そんなおしゃべりが出たのは、二月初旬の雨の夕暮れのこと。モモちゃんとわたしはハタリハウスでお茶をのんでいました。わたしたちは「ムー部」の部員だから、そろそろどこかに行かなくてはならなかったのです。ムー部と…