東京中低域「テキスタイルカウンシルツアー 2008」

東京中低域、春のツアー最終日は横浜サムズアップにて。開演時間よりちょっと早めに着いて、夕飯にハンバーガーを頼んだら、皿いっぱいに盛られた揚物のヴォリュームにひるんだ。やはりビッグサイズのドリンクを飲みながら、大ぶりのハンバーガー(おいしいよ)にエイヤッと格闘していたら、十一本のバリトンが登場。

京都、広島、神戸、名古屋、東京とつづいたツアーの最終日ということもあって、ささやかにやけくそ気味な演奏。先に聴いていた新譜『パリコレ』が、エフェクトが多用されたせいなのか、楽曲の雰囲気にややナイーヴな印象をもっていたのだけれども、この日演奏された「music for tao(#3だったかな)」は、十一本のバリトンサックスでの役割分担と音の重なりが目に見え、ほどよい投げやり感と情感があいまっておもしろかった。ソロやデュオなどでは、プレイヤーの個性とテクニックがよくわかり、同じ楽器でもけっして同じ音はないという東京中低域の魅力を改めて感じたり(男子中学生みたいな悪ふざけに関しては、いまいち飽きてきたところもあったりするんだけど)。

かつての渋谷クラシックスや、下北沢440のように、ステージに向かって椅子が整然と並べられた客席で観るよりも、今日のサムズアップのように、山盛りのフライドポテトをつつきながら、ときによそ見しながら観るくらいがちょうどいいのなと感じた。なんだか東京中低域のライヴでは、客席がいつも「わたし、元ブラスバンド部なんです!」という雰囲気に満ちているようで、余計なお世話ではあるけれど、じつはちょっと気づまりではあったのだ。

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パリコレ

パリコレ