神田川の桜、アースダイバー

桜が散る間際のにちよう日、メンチカツを頬張りながらお花見気分で杉並から武蔵野まで神田川沿いを散策。足元では犬がうらやましそうに見上げていた。ちょうどこの川沿いのコースは中沢新一『アースダイバー』(講談社)の第一章でも触れられている、縄文時代の生活の記憶が残る「沖積層」の土地だ。この本はまだ読んでいるのも途中だし、ここで展開されている論と史料をどこまで信じるかはわたし次第だけれども、気ままな桜見の散歩に、ちょっとしたアタマが付け加えられるのは実にたのしい。

杉並区の神田川沿いは、高井戸駅そばの川と線路の間も立派な桜並木があるし(この時期の井の頭線高井戸駅の高架から浜田山駅方面に下るところの眺望の素晴らしさったら、先頭車両のガラスに張り付くほかないね)、富士見が丘駅から久我山駅までの間の、先日公開された車両基地のあたりはどこか野趣漂う桜が見られるし、この久我山駅から三鷹台駅までの意図的なまでに完成された並木も美しい。もちろん、桜以外にもたくさんの花や若葉が景色を彩っていて、いくら歩いても飽きない。

  

酔いどれの花見客で土埃の舞う井の頭公園を抜け、かつて暮らしていた吉祥寺ハタリハウス(いまは更地だ)と公園との間にある、畑のことを思い出してまわり道をしてみた。畑には、つくし、菜の花、そして桜が咲いていた。長袖一枚で歩くことができるこの季節をじゅうぶんに愛でようではないの。

アースダイバー

アースダイバー