キャスティング/tegwonのテンション

ハタリブックスは屋号のとおり、「ブックス」なお仕事、出版にまつわるエトセトラを生業にしているはずが、さいきんどうもエトセトラの占める割合が大きく、純粋な執筆よりも、企画や音楽関係のお仕事をいただくことがあります。もちろんそれはたのしくうれしいおハナシです。若い時期に「ライター」ではなく「月刊誌編集者」として働き、月例の企画会議でこてんぱんにいたぶられたおかげで、「イイものはイイ」ということばを一生の禁句に、「そのイイものをどう伝え広めるか」という手段をまず考えるという癖がつきました。そしてそれは、縁あってさまざまな企画に携わる今日のハタリに、きっとよく作用しているのではないかなと、過酷な雑誌編集者時代のあれやこれやに多少感謝をしたりもしているのです。

ある晩のこと、広告代理店の方から「こうこう、こういうミュージシャンやバンドを探しているんです」というお電話をいただきました。そこでリクエストに合いそうなバンドをいくつかご提案したところ、スケジュールや会場の都合とうまくリンクしてtegwonの演奏が叶いました。tegwonは、ツインギター、ベース、ドラム、パーカッション、ディジュリドゥの6人編成。実は昨年三月の渋さ知らズが出演した代官山UNITのイベントでも同じステージに上がっていたらしいのだけれども(たしかに今思えば楽屋で一緒になったような気がする。本番前はあちこち見渡す余裕もなく客席にもほとんど行かなかったので演奏は見られずじまいでした)、その後あるホームパーティで盃を交わすことがあり、先に人となりを覗き見していた。音楽はそのあとに知ったのだけれども、これがなんとボリュームたっぷりでドカチンで、ユーモラスに満ちたロックンロール! 

今回は新製品の業界関係者向けプレスイベントということで、スーツ姿の働き者のみなさんたちが商談や交渉を重ねている会場の雰囲気は、バンドにとっては「超アウェイ」。そのなかでおのれのグルーヴを生み出していくtegwonの侠気にほれました。今度はどこかの山の、青空の下で聴きたいな。

今回の「キャスティング」のお仕事のように、ハタリは企画屋とミュージシャンの合間でうろうろすることもときどきあります。もしもハタリがあなたのお役に立てそうであれば、そのときにはぜひお声がけくださいね。

VACATION FOREVER

VACATION FOREVER

【tegwon】