九月の追記〜木更津「天幕渋さ」

九月十三日、十四日は木更津へ。学生時代の夏合宿が内房だったのでこのあたりは車でも列車でも通ったことがあるものの、町に降りるのははじめて。駅から二十分ほど歩いていくと、海には下を船を通るほどの大きな、高い位置に架かる赤い橋。歩いて登って渡ってみると、空か海を歩いているかのような爽快な気分。もちろん足も疲れます。

 

快挙というより暴挙まちがいなしの、渋さ知らズ「天幕渋さ 木更津大作戦」へ。前回の飯田公演は二〇〇三年、そのときは飯田線の鈍行に揺られながらひとりで遊びにいったのだった(→☆ 2003年7月の日記)。五年ぶりの今回、海そばの原っぱにまた五百人(それ以上?)の規模のテントを自力で建てていました。本業の大工や鳶は誰ひとりもいなく、すべて「素人仕事」の集結。舞台系やガテン系芸術家の偉大さを感じる仕事。こうしてアングラ舞台系の強靭な仕事ぶりを目の当たりにすると、ああ、わたしってば文化のもやしっ子なんだよなあと我が身の無力ぶりを感じます。


 

二日間に渡る演奏は、渋さ知らズのほかにさまざまなバンドが登場した祭りの賑わい。天気にも恵まれ、とても気持ちのよい週末となりました。体調不良と仕事の都合などなどで木更津に泊まらずに東京に戻っていたので、すべてのプログラムを見ることができなかったけれど、それでも来てよかったな、と思うすてきなヤンチャでした。

本番が終わりお客さんが帰ったら、余韻に浸ることもなく早々にテントの解体作業。祭りのあとの達成感と一抹のさみしさも見ものです。テントを作ったひとたちはほんとうにすごい。おつかれさまでした。


そんなこんなで初めて訪れた木更津。ここはあさりとタヌキを奨励する町のようで、海沿いに「あさりのぽこちゃん」が。タヌキがあさり貝の中に入っているんじゃなくて、あさりを開けたらタヌキが入っているんだよ。