高木正勝コンサート「Tai Rei Tei Rio」

高木正勝のコンサート「Tai Rei Tei Rio(タイ・レイ・タイ・リオ」を観に、都立大学駅から徒歩十分ほど、柿の木坂、都立大学跡地にできた「めぐろパーシモンホール」へ。東横線沿線はあまり縁がないので、こういう用事があって歩くのはなかなか新鮮。

前回のラフォーレミュージアム原宿での公演以来、二年ぶりというホールコンサート。いまの高木正勝の感性を目の当たりにしたコンサートとなった。音楽と映像以外にはデコラティヴな要素のない、シンプルなステージ。ろうそくやランプを模したライティング見事だった。暗すぎるのではと思ったところで、映像が色を重ねていく。高木正勝によるピアノ、男性と女性の歌声、ヴァイオリン、イーリアンパイプスとサックス、フルート、コントラバス、パーカッションという、この音楽を表わすための「最小限」とも感じられる編成による、緊張感にあふれるパフォーマンス。こういうものを見てしまうと、次の機会がまた楽しみになる。誰もが言う言葉かもしれないけれど、高木正勝はまちがいなく「いま」を更新しつづけていく表現者だ。

【Takagi Masakatsu】