ゆるやかな勇み足、『栗コーダーのクリスマスII』

うかつだった。栗コーダーカルテットの新譜レコ発ツアー「夏から秋へ渡る橋 秋編」の東京公演、観に来ればとお誘いを受けていたのに、かかえていた作業が予定通りに終わらず、赤坂ブリッツまでたどりつけなかった。うーんと地団太踏んだあとに、棚から緑色ジャケットの『栗コーダーのクリスマスII』を引っぱり出してきて聴いています。

栗コーダーのクリスマスII~the Holly & the Ivy~

栗コーダーのクリスマスII~the Holly & the Ivy~

うん、やっぱりいいな、バランス感覚がバツグンによい音楽。どんなシーンにも合うし、かわいらしい。そして、こんなにかわいいのに演奏している四人がオッサン(そのうち、川口義之さんにいたってはヒゲモジャで会うたびにびっくりする)というのがまた愛しい。ストレッチングで身体を緩めながら耳だけ預けてぼうっと聴いていたら、このリコーダーの音の出方が実に潔いのに改めて感動した。とにかく音色がきれいだし、重なり方が豊かだし、オチャメだし、うん、やっぱり技巧派だなあ。新譜の『遠くの友達』は、六人の歌手を迎えた作品で、うた声との出会いがどんな按配になっているかも楽しみ。

遠くの友達

遠くの友達

季節感をだいじにライヴを行なってきた栗コーダーカルテット。恒例の「栗コーダーのクリスマス 2008」は、十二月十七日と十八日の二日間、吉祥寺のスターパインズにて。今年は行けるかな。

街がじょじょに赤と緑の色合いに染まりだし、秋の出口から冬の入口に移りゆくのを肌で感じる夜半の寒さ。もうすぐ十二月、音楽だけフライング。ほかに、好きなクリスマスソングで思いつくのは、ピチカート・ファイヴの「12月24日」でしょうか。

【栗コーダーカルテット】