酔いどれセンチメンタリスト

わたし、なんというか「酒体力」がない。酒持久力といったほうが正しいのかな。「いけるクチでしょ」と疑いもなく言われるザル顔のくせに、ちょっと呑んだだけですぐ頬が赤くなるし、そのうちに眠たくなってしまう。ここ数年のうちに仲良くなったお友だちのなかには、一晩で生ビールをジョッキ三十八杯も呑む子や、ひとり暮らしなのに瓶ビールをケースで宅配してもらっている子や、ワインを次々とあけていく子、午前十時に公園で待ち合わせたときにすでに缶ビールを手にしているような子がわんさといる。そんな彼女たちと宴を開くと、いつも中座してどこかで眠ってしまう自分が情けなくなる。

しかし今日はちがったのだ。ああ、呑んだ、呑んだ、夜中の一時からバーボンを呑みはじめ、しゃべりたいことと聞きたいことがたくさんあったからか、朝の十時を過ぎてもまだ呑みつづけていた。この数日間に起こったハプニングを肴に、たくさんの大事なことを語り合った気がするけれども、ざんねんながらあんまり覚えていない。ただ、あいまいな言葉というのは、頭のなかで未整理になっているよりも誰かと交換をすることによって、すいぶんとクリアになるのだなと感心した。

感心したのはいいのだけれども、その後は夜の八時まで動けなかった。わたしは下戸のくせに、たまにこういう呑み方をする。スマートじゃないねえ。

そうそう、岡本太郎の巨大壁画「明日の神話」が、渋谷駅連絡通路で公開されました。ラッシュ時にも上を向いて歩くひとがしばらく増えそうです。