ハタリブックス祝五周年!

暦が十二月になって、いっちょうまえに気もちが駆け出す前に、このおぼつかない、けなげな足元をお祝いしよう。本日十二月一日、ハタリブックスが暖簾をさげてから五年が過ぎました。二〇〇三年の十二月一日、「座頭市映画手帖」を自費出版するにあたって生まれたハタリブックス。さいきんでは苗字のかわりに「ハタリさん」と呼ばれる馴染みも多少あり、そして自ら「ハタリブックスです」と抵抗なく名乗ることさえできる、二人三脚の屋号となりました。

とか言いつつ、実は数日前のこと。「座頭市映画手帖 petit」への勝新座頭市対談の転載許可をいただこうと、五年ぶりに湯浅学さんにお電話して(二〇〇〇四年以降、なかなかお会いする機会もなく、実にひさしぶりのコンタクトだったのです)、電話口で「ハタリブックスのアサリです」と名乗ったところ、しばしの怪訝そうな間をはさみ、「あっ、アサリさんかあ、誰かと思ったよ、最初からアサリって言えよ!」と笑われたのでした。まだまだだなあと思う一方で、不義理にも関わらず以前と同じ感じで話してくださった湯浅さんのアティチュードに、わたしの五年分の空白が救われたのでした。やっぱり、わたしにとって「座頭市映画手帖」は名刺がわりの一冊だし、多少は誇りに思ってもバチは当たらないだろうと思った次第です。そしてこれからはこれを超える仕事をして、名刺の上書きをしなくてはなりません。

平岡正明さんから座頭市の件でお電話をいただいたのも今日のこと。遅々として進まぬ単行本化のことを叱られちゃう! とビクビクしていたら、御大から実に親身なお話をいただきました。来年は、ハタリブックスにとって、また勝新座頭市と添い遂げる年になりそうです。というか、この暮れから市っつあんとの共同生活がふたたびはじまります。五年間のラッキーとハッピーと愛すべき出会いに感謝を、そして六年目に架かる次の一歩に情熱と気合を。今後ともハタリブックスとミスハタリのこと、どうぞよろしくお願いいたします。

ハタリブックス◎ミスハタリ 浅利芙美拝