一月の音楽と好奇心 「Max Tundra JAPAN TOUR」

ホットカーペットのうえで猫と仲睦まじく過ごしていると、時間はあっというまに過ぎていきます。そろそろ出かけなくちゃと、谷町九丁目ホットヨガスタジオに体験にいき汗だくになったり、近所のかわいい洋菓子屋さんのエプロンに惚れて、売りものじゃないのならバイトしようかなと本気で考えたり。そんな日日の浮気ごころはたくさんあるけれど、耳はいつだって好きな音楽を探しています。一月の音楽あれこれ。

岸野雄一さん主宰のOut One Discがコーディネイトする、Max Tundra のジャパンツアーが明日水戸よりスタート。

マックス・ツンドラってどんなひと? 特設サイトはこちら http://www3.tky.3web.ne.jp/~gamakazz/max/index.html

毎年恒例ワンワンワンの日、一月十一日は、渋谷O-Westで、マックス・ツンドラカーネーションとWATTS TOWERSが出演。今年もオープンプライスで、すてきな音楽とパフォーマンスの時間に出会えるはず。というか、わたしは毎年そうしてきました。「オープンプライス」の趣旨は以下、岸野雄一さんの文章を引用します。

オープンプライス制とは、フリーコンサートや格安価格で公演を提供するものではありません。ご自身の判断で、音楽と自分との関わりを、改めて考えて頂くためのシステムです。
出口で出演者が交代でザルを持っておりますので、このような公演は一円も払う価値がなかった、と判断されたら、素通りして頂いて結構です。
ただし、過去にご覧になったコンサートと比較し、優れていた点があったり、このようなシステムの主旨にご賛同いただけましたら、その分の金額を加味してお支払い頂ければと思います。
21世紀には、音楽の需要と供給の関係が、ますます難しくなっていくことと思います。ダウンロード禁止などの、制限を設けることで解決するのではなく、聞き手を信用するところからスタートしたいと考えておりますので、主旨にご賛同頂ければ幸いです。
Out One Disc 岸野雄一

わたしはこの日東京にいるのだけれども、大阪に戻らないといけないので難しいかな。ワッツは18:30からかあ。そのかわりマックス・ツンドラは十六日の大阪公演で観るもんね。

1/16(土) 大阪 梅田 Shangri-La
大阪府大阪市北区大淀南1-1-14/TEL:06-6343-8601)
18:30 OPEN/START 前売\2800 当日\3000(共にドリンク代別)

timetable :
DJ : RUBYORLA 18:30〜
SPACE PONCH (VJ:SphinkS) 19:00〜
Max Tundra 19:45〜
rei harakami 20:45〜

【Max Tundra】
マックス・ツンドラことベン・ジェイコブスは、ピアノが置いてある家に生まれた幸運に恵まれ、幼少期から音楽に親しんで育った。そして健全な少年の多くがそう感じるように、過去の有名な(すでに死んでいる)作曲家の作品を弾くことを強要するレッスンには飽き飽きしていた。「家にあるキーボードで、テレビ番組のテーマ曲とかCMソングを演奏するほうが、ずっと楽しかったよ」とベンは回想する。そうしていく中で、彼は白鍵と黒鍵を叩くだけでは飽き足らず、より広範な作曲活動に踏み出すようになる。

10代となり、コモドール アミーガ 500というパソコンを手に入れたベンは、1ポンド払えば手に入るような音楽ソフトを相棒に、電子作曲の世界への探求の旅に出る。メキメキと腕を上げた彼は、このチープな制作ツールを完全に操る術を身に付け、1998年にはWarp Recordsよりファーストシングルをリリースするにいたった。ベン曰く、「僕の最初の曲に、唯一興味を示してくれたレーベルがWarpだった」。「全部で50ものレーベルにデモテープを送ったんだけど、ほとんどの人が『こいつはどうかしてる』って感じたらしいんだ。『アイディアを詰め込みすぎだ』って妙な難癖をつけてくる奴もいたしね」。そのアーティストとしての活動のなかで、多くの時代の、様々なジャンルの、あらゆる楽器編成の音楽を混ぜこぜにし、音楽界が長らく必要していた新風を吹き込んできたマックス・ツンドラには、しかし、前述のレーベルの人間と同じように、その雑多な音楽性を批判する声が常について回った(彼がアーティストネームをマックス・ツンドラと改名したのには、こうした経緯があった)。

ここ数年、フランツ・フェルディナンドペット・ショップ・ボーイズといったバンドのリミックスを手がける傍ら、マックス・ツンドラは、ドミノからリリースする三枚目のアルバムの制作に取り組んできた。そうして完成した作品、『Parallax ErrorBeheads You』は、2008年10月にリリースされた。前作のLPを発表してから、今作がリリースされるまで6年が経っていた。この6年という月日は、多くの人間がバンドを組み、アルバムを録音し、そして解散していくに十分足る期間である。しかし、こうしたサイクルの速い(アーティストが年に新作を2枚も3枚もリリースすることを要求されるような)業界にあっては、音楽史に残るような魅力的なプロジェクトに出会うことは、非常に稀になってきている。そうした状況のなかで発表されたマックス・ツンドラの新作で聴ける楽曲群は、重層的なプログラミングに細心の注意を払いつつも、彼がこれまでに発表したどの曲よりも、キャッチーで明るく、記憶に残るものに仕上がっている(彼の過去の作品の多くが、ドタバタとしたホームメードの曲に聴こえてしまいかねないほどに)。この作品が完成に漕ぎ着けたことで、ベンは自宅にずっとこもっていなければならない日々と、やっと別れを告げることができる。