htr2003-07-05

土曜の真夜中のこと。自転車にのって吉祥寺駅前の映画館へ。マック・ジーチャーリーズ・エンジェル フルスロットル』(2003/米)のオールナイト興行。入口でチケットを渡して真ん中の席を陣取ってから、「ギャッ!」と大事なことを思い出す。今夜は池袋新文芸坐天本英世追悼特集だったのだ! 本多猪四郎マタンゴ』(1963/東宝)やら三船敏郎主演の谷口千吉『大盗賊』(1963/東宝)など。もう終電も動いていないし無理だ諦めようと目前のスクリーンを眺めれば、エンジェル達の愉快なアクションに後悔なんてぶっとんだ。お色気も笑いどころも沢山あるけど、いちばんはマイク・ハマーの「ハマー・タイム」だ。もしや今時分に二十歳の子はマイク・ハマーなんて知らないのかしら。『007』シリーズがドン詰りの今、新たな心の拠りどころとなり得る期待を裏切らない出来。正確に言うならばワイヤーアクションや無駄に派手な爆発シーンよりも、エンジェルたちが「キャー★」と黄色い声をあげてはしゃぐ「ギャリズム」がすべて。フラワー・フィルムズのドリュー・バリモアさんは本当に立派だ。三人のなかでいちばんの汚れ役をかって出ているくせに、そのムチムチボディが結局のところ最もいやらしく映るというしたたかな計算も見事というほかなし。終映後、午前二時の五日市街道をママチャリで飛ばし、真夜中営業しているスーパーでホワイトリカーと薄口しょう油を購入。アパートの玄関を開けると水につけていた青梅の甘い匂いがぷうんと鼻を誘った。遅れ馳せながら梅酒を漬けて流しの下にしのばせておく。明日になったら、残りの青梅で梅しょう油を漬けよう。一年後二年後を見据えた台所投資。