htr2003-07-13

ノーマン・マクラレン作品コレクション』、三枚組のDVDに五十作品が収録、その多くが日本初ソフト化の映像ばかり。一九四十年頃、イギリス郵政局映画部からカナダ国立映画制作庁へ、ドキュメンタリーとアニメーションが合流した地点でノーマン・マクラレンは音楽を映像化したユニークなアート・アニメーションを多く手掛けた。フィルムに直接引っかいて描いたシネカリグラフの『めんどりの踊り』(1942)は賑やかでスピーディな展開で、画面には線描のめんどりしか出てこないのにちょっとしたトランス気分を味わえる。また、抽象的な画像を音に効果的にシンクロさせた『色彩幻想』(1949)は数年前に観たコールドカットのミュージック・ビデオに繋がる原体験のようでもあるし、もちろんいまのVJにも通じるアヴァンギャルドな面をもっている。そもそも日本の作家、たとえば「アニメーション三人の会」の九里洋二や、最近では山村浩二庵野秀明あたりもその影響を受けている。そんなごたくを並べるのはもうやめて、はっきり言おう。これはなんておもしろい!