持ち寄られた映像を観る午前三時。
その1。青池憲司『ドキュメント日本幻野祭・三里塚1971』。これは、復刻盤『幻野 幻の野は現出したか〜71日本幻野祭 三里塚で祭れ』のボックスセットのDVD。非常に面白かった。夜の熱狂よりも明けた朝のけだるさが。夜を越えた長髪や汚い格好をした若人たちがゴミ散らかる原っぱの方々に散っていく、それが正しいドキュメント。(http://www.fly-p.com/zk/cd-genya.html
その2。プライマスの外盤についていたというDVD。見たことのない指の動き、その超絶ベースに興奮する。PVもたくさん収録していてとても愉快。男子中学生っぽい悪ふざけの数々。
その3。『ピナ・バウシュの世界』をビデオで見た。ピナが自身のダンスカンパニーであるブッパタールの面々に、「愛とは何?」と質問する。ダンサーのひとりは「愛とはやってきては去っていくもの。今はちょうど去っていくところ」と答え、別のダンサーは「愛とはやってきては去っていくもの。でも幸運なことに戻ってくる」と答えていた。その会話の直後、稽古場の風景。直立する男に向かって、何度もぶつかるように抱きつく女。男が女を突飛ばし、女は倒れ、男は座り込み、女はその頬を撫でるが男はその手を払う。何度も反復。そして幾度目かに男は女を押し倒して転がって、そして最後に女を肩にかついで退場。この動きがまったくの無感情で素早く繰り返されていく。いまさらながらに吃驚して、すごいすごいと大興奮。そのほか、紳士淑女の格好をした男女が輪になってグルグル廻っている『私と踊って』や、舞台上で男が激昂して「なんだ、おまえら何がみたいんだ、空中ターンか? そうなのか?!」と叫びながら技を披露する『カーネーション』などの一部を収録。その手の動きだけではなくて、本当にピナ・バウシュはすごい。

今日のわたしは言葉を忘れた馬鹿の子みたいだなあ。