テロはテロでもあなたのテロはいつもはがゆいじれったい
はやく一緒にやろうと言えば ちょいと待っテロそれっきり


夜になって、中野光座で発見の会「獨々逸イデオロギー」を観た。中野五差路のところにあるうらぶれた光座は、かつて映画館だった場所。階段をのぼると壊れたシャンデリアが下がっていた。古ぼけた椅子に座ってはじめての「発見の会」鑑賞。上杉清文さんの作品(前の前の列にご本人が座っていました)。登場人物は西田幾太郎とその後妻琴、鈴木大拙三木清(林周一さんが演じた)、中井正一、戸坂潤(漫画家の河合克夫氏が演じていた)や、大杉栄の幽霊と伊藤野枝の幽霊ほか。ブラザーイゴーは「瞼の母」の長谷川伸役。そうそう、そして音楽は渋さ知らズの不破さんが担当。「役者が本番中にふつうに袖に入っていって台本見ちゃうの。みんな台詞を覚えないから」と先日りぶるで不破さんが爆笑しながら語るのを聞いて、さすがにそろそろ覚えただろう楽日を狙って行ったのだ。「上杉さんを好きなら観にきなさいよ、すごいよ、なんだっけな、あのね」と教えてくれたのが、先の「テロはテロでも〜」の言いまわし。不破さんの音楽にのって最後に全員で歌われる歌詞だった。わたしは大正昭和の思想学問に疎いからこの作品の面白さの十分の一もわかっていないかもしれないけど、いい大人が(この舞台では四十歳くらいではまだ若僧)くだらない洒落を言ったり歌ったり節をつけて喋ったり、その愉快なことはちゃんと楽しめた。帰りに紙コップに日本酒を分けてもらい、舐めるようにして呑む。そのまま紙コップを手に総武線に乗り込んで吉祥寺に戻った。

テレビで『荒木又右衛門 決闘鍵屋の辻』がはじまったので今日はここまで。