二十五日のこと。クリスマスは南青山マンダラへ、遠藤賢司クリスマス定食ディナーショウ。エンケンバンドのすてきな演奏(と愉快なカラオケ)と、定食の夜。わたしは「デラックスハンバーグ定食」で、隣は「ゴージャスめざし定食」をいただいた。もりだくさんのステージと今年最後の「夢よ叫べ」のあと、湯浅さん経由で「座頭市映画手帖」がエンケンさんの手に渡ったと聞き、湯浅さんに連れられて楽屋にお邪魔した。座頭市計測を褒めていただいた。「なんでカレーライスを一度も食べてないんだろうと思ったら、あれは『悪名』だったんだねー」。

二十六日のこと。お昼時に得意先にでかけていき、まんまとマンマ(石焼ピビンバ)を御馳走になる。わたしの東京のお父さんお母さん、今年もごちそうさまでした。今年最後の仕事を済ませて大掃除と忘年会。新宿御苑の中華料理屋を出たら雨が降っていた。足早にリキッドルームに駆け込むと、シロー君のDJがひじょうにすてきですっかり気持ちが昂揚。最後にかけた「酒をのめのめ〜」というレゲエの曲、よかったなあ。外で飲むマリブミルクはおいしいし胃にやさしい。赤犬ライヴはすべては最後に白ブリーフを脱ぐまでの遠回りの助走なのに、結局ひとりしか脱がないという結論にやるせなさを感じた。この光景、ロフトプラスワンあたりで見たナアと思ったらそれは数年前のハイレグジーザスのステージだ。Joseph Nothingの音楽はヤンチャでありながら叙情派。終電が菊地ズチルドレンを運びいれて混みはじめたフロアのうしろのほうで、ずっとニコニコしながらわたしはからだを揺らしていた。Romzのひとびとの音楽は男子特有のヤンチャさに溢れていてかわいくてすきだ。デートコースペンタゴンロイヤルガーデンを観ようと思ったけれど一度途切れた昂揚は待てども戻ってこず、ぼうっとした頭に午前三時半は遠かった。午前二時すぎ、岸野雄一さんに挨拶してからリキッドを出ると雨が雪にかわっていた。足早に天下一品に逃げ込みラーメンを食べてから漫画喫茶とタクシー難民の二択。西口の行列を通りすぎて甲州街道まで歩き、マギー司郎似の運転手に吉祥寺まで運んでもらう。今夜がリキッドルームとの別れだろうか。Tシャツにジーンズ、足元はスニーカーで踊るというより飛び跳ねて、汗だくになった下着とシャツをトイレで脱ぎ明け方の吉野家でけんちん汁をのんだ日から何年が過ぎただろう。そのあいだにテクノはエレクトロニカとなって抒情と内省を覚えた。さすがにもう着替え持参でフロアにいくことはないだろう。遊び方はかわっても遊び心はかえないでいたいと思った今年はじめての冬らしい一日。