htr2004-01-01

縮緬の着物姿で東京放浪。吉祥寺から平和台、世田谷、若林、そして阿佐ヶ谷へ。真夜中の中央線に揺られて突如お年賀高尾ハイクの旅。急勾配の登山の途中で夜と朝の境目というものをたしかにこの目で見た。ひどく暇なあの四年間に今日こそ見届けたいと思いつづけて無駄な夜更かしと早起きを繰り返し、それでも見ることができなかった風景。境目に溢れるオレンジ色の濃さに胸がじんとした。頂近くで日の出を見たら太陽があまりに大きく眩しくて寝不足の両目にいたくしみこんだ。晴れた空の正面に富士山が見えた。おでんと甘酒とホットココア。引き当てたおみくじは小吉で「よいこともわるいこともきっとあるでしょう」という至極真っ当な予言がイラスト入りで書かれていた。そんな中途半端な予言なんていらないよ。と、強がりながらも社務所で厄除けのお札を一枚頼んで下山。仙川の湯殿に浸かりながら、これからの一年の長さを想像してのぼせた元旦の昼。