htr2004-01-02

寝袋姿で目覚める。昨夜は「愉快なビデオがあるからおいで」と誘い込んだ友人を半分騙したかたちで小津安二郎秋日和』を観ているうちに、佐分利信原節子がうなぎを食べるあたりで寝てしまっていた。雨戸をあけてテレビを点けると、学生たちはすでに花の二区を走り終えていた。さっそく城西大の走れない主将(のドラマ)に恋をする。今年の正月は雑煮だけ。喪中と決めたので餅も市販のものを焼いただけだ。正午すぎにさらなる来客。「お正月さんが来ました!」と奴凧と上機嫌を持ってきたので、穏やかな青空の下、井の頭公園の広場で凧あげをした。あたりではたくさんの凧上げパパがチビどもを喜ばせていた。わたしたちの凧はなかなか空を飛ばなかったけれどそれでも愉快にはしゃいで遊んだ。井の頭公園駅前の「宵町草」でお茶をのみ、手ぶらで吉祥寺を散歩して帰宅。スケッチブックを破って人生すごろくを作り、六角鉛筆を転がして遊ぶ。午後七時すぎ友人ひとり帰る。ふたたび『秋日和』を観た。中年男たちのえげつない会話を生々しくたのしむ。白白と繰り返されるエピソード。岡田茉莉子が中年男たちを相手に怒るところがとてもキュートですてき。「赤貝」「はまぐり」と親爺たちが鮨をつまむシーンが心にのこり、午後十時半に駅前の鮨屋にかけこんだ。