吉祥寺の中の代官山を目指して散歩。東急裏にある小綺麗なその場所は先日モリカゲさんのシャツをみたところ。緩やかな階段を地下へ降り、パンがアクセサリーのように整然と並んでいる奇妙な店で洒落た小さなパンをふたつ買った。散歩、そして吉祥寺ピアス難民。デコラティヴなものでもプリミティヴなものでもない平凡なピアスが欲しいだけなのだ。心意気はあるのに出会いなし。ヴェレダエステは終日予約で埋まっていた。小さなパン二種、くやしいくらいに美味しかったので畳の上に正座して食べる。ゴマとアーモンドクリームが入ったパイと、カレー味に炒めた茄子やらが入ったパン。風呂にお湯をためているあいだにそこの角の花屋まで走っていってオレンジ色のバラと赤いガーベラを買ってまた走って戻った。縁に腰掛けて愉快な本を読みながら足浴、保湿パック、マッサージにペディキュアと女の子気分を愉しんだ豊かな夕暮れ。

甲州街道沿いの「TUBO」で不破大輔さんと佐々木彩子さんのライヴをみた。ドアを開けて中に入り「こんちは」と頭下げるより先に「あ、座頭市!」といわれて照れ笑い。「鼻をかんだら目から鼻水が出てきてすげー痛い」騒動でライヴがスタート。大豆鼓ファームの前回公演「麦秋のテロル」の劇中歌、「平和なんていらなーい、あたし自由なんていらなーい、麦チョコ食べて恋の話をしていたーい」そんなかんじの歌が本質をついていてかわいくてすばらしかった。今年に入ってから渋さ知らズのライヴでは見かけなくなったちゃんさん、わたしこのひとの人となりとピアノの弾きかたと歌声が大すきだ。一週間ぶりの梅酒お湯割りと砂肝ポン酢を二杯つまんで、目の前の不破さんと煙草のにおいに恋をする。弓弾きソロもすてきでした。このふたりの演奏は何度でも見たいとおもう。睡眠不足の東中野さんは途中ウトウトしていたけれど、「しびれるー、で始まる歌、よかった」と言っていたのできっと気に入ったことでしょう。不破さんにきなこ味のチョコレイトを渡してからほろ酔い気分で京王線。午前零時が近づくも夜に飽きることなど到底できずに、渋谷で呑んだくれ中の高円寺ちゃんをつかまえて家に連れ込む。甘栗むいちゃいましたを食べながらお喋りをしたのち、寝袋にて就寝。土曜日はほんとうに愛しい日。愛しいからこそ早く過ぎてしまえと強く思うのだった。