htr2004-04-10

今年は七年に一度の御柱イヤーと聞けば祭好きの血がさわぐ。信州諏訪大社御柱祭。加えて今日は「青春十八きっぷ」春シーズンの最終日でもあるのだった。行かない理由がみつからない。疑問なしに朝七時半の中央線に乗りこんだ。片道四時間かけて下諏訪へ、御柱遠足のはじまりはじまり。よく晴れた休日、祭りの会場は噂以上の大混雑。クライマックスの木落とし(山から運んできた神木を斜面から落とし、神木に乗っていた大勢の男衆もまた転がり落ちたり下敷きになったりする、テレビのニュースでよく映るあれ)の会場は大混雑で入場規制がかかっていた。林のなかに入っていっても人だらけ、藪のなかも満員状態。午後一時に花火があがり、ラッパ、掛け声、木遣りにワクワク。わーひとしかみえなーいと言ったら双眼鏡をのぞいていた隣のおじさんが解説してくれた。辺りがどよめいたら木落としのはじまり。一瞬のうちに黄色や緑色のハッピ姿の男衆たちがゴロゴロ転がっていくのが遠目に見えた。そして万歳三唱。
祭の何が好きかって、その土地の生活やそこに暮す人たちの人生に密に結びついているところが面白い。きっとここでは七年単位で物事が考えられているのだろう。神木を直に見てさわりたいという御利益を欲する興味はなく、その上にのって得意げな表情をしているいなせな男たちを見るほうが好きだ。祭のために長い時間をかけて細々とした用意をして町を飾ってダンドリを打ち合わせて……と、たくさんの日常を積み重ねていったあとの非日常のマツリの時間は、当初の予想を裏切ってどんどん膨張していき、クライマックスでドカンともりあがる、抑圧のあとの馬鹿げた興奮。そういう類のものがわたしは根っから好きなのだ。
本日の立ち寄り湯は諏訪湖温泉「湖畔の湯」、入湯料は二百五十円。