休みの日なのに七時に目が覚めるとなんだかもったいない気がして起きて早々にふとんを片してしまって昼過ぎにちょっとだけ後悔する。ピアノを弾いて唄って満足して家を出たら町はもう夕暮れだった。電車で渋谷に出て円山町の「円盤ジャンボリー」にいくつもりだったのに、末広通りの途中、マンダラセカンドで足がとまってしまった。今夜は「ふちがみとふなと」の音楽がこんな近所で聴けるのか! しかもふちがみさんとふなとさんにギターの桜井芳樹さんを加えた三人編成。急遽、電車賃すら遣わない一日に針路変更。労働帰りの悦楽を呼びつけてカンパリオレンジ。一曲目のヘヴンの唄ですでにウットリそしてニッコリ。ふちがみさんの声と動きもかわいいけれど、ふなとさんのTシャツもかわいい(前は赤いクルテクTシャツ着ていたけれど今夜は黄色いチェブTシャツだった)。「トラック野郎ジョン」はやっぱりおかしいし、ヘヴンの唄はその町に放り出されたような浮遊感がある。そして「お店やさん」の唄を聴くと恋をしてる気持になる。たんじゅんに、かんたんに、とうとつに、あっけなく。

悦楽をお持ちかえりしたら、タイミングよく荻窪からバイク君もやってきた。緑に染まったカレーの夜。クスクスを食べながら今夜聴いた音楽のこと、伝えたいけど同じように唄うことができないのがもどかしい。
ふちがみとふなと http://www.asahi-net.or.jp/~cp3j-fcgm/index.html