最近のミスハタリはどうしているのでしょう。

しばらく映画を観ることも叶わず、ただ電車のなかで平岡正明さんの『大革命論』を読み進める日日であり、そうか、革命という語は「レボリューション」の訳ではなくて、中国は前六世紀の『易経』にある「湯武革命 順乎天 而応乎人」つまり「天に従い、人の声に応じてやったんだよー」という言葉に由来すると知っては頭のなかで整理整頓をしています。知らないことを覚えてストックするための棚を増設しました。日日勉強、隙間だらけのこの頭のなかがもっと忙しくなればいい。

札幌は狸小路七丁目を抜けたところにある十一月に行った。十一月というのはいま時期の名前でもあるけれど店の名前でもあり、そこはギャラリーでもあるしおじいさんがまぎれこんで買い物をする雑貨店でもありコーヒーも出るし札幌ですっかり有名になったカフェの二階でもある。そこへわたしを導いた女の子は、会うたびに彼女の飼い猫に顔が似てきてその猫はさかなさんといってたいそうべっぴんなのだ。屋根裏のような場で串と焼酎日本酒で手の届く範囲の人生について言葉少なく語りあう。千鳥足で焼鳥屋を出て駅前通りを蛇行しながら歩き、このまま線路をこえてクラーク博士を見にいくぜっと威勢良く単身歩き続けたけれど、翌日のおめかし予定を思い出した北三条で右折して、一階が雀荘のビジネスホテルにたどりつく。札幌の十一月はつい先日初雪が降ったというがまだまだあたたかい。気分よく酔っていたせいなのか、その夜はパンツ一丁でベッドにもぐりこんで、権力に追われ反撃しているうちに額に五百円ハゲができるという夢を見た。革命家にはほど遠い意気地なし。朝が来れば不良少女は耳に胸元に何連もの真珠で武装して、よその芝生の幸福のために神輿をかつぐのだ。うまれたばかりの家庭に平和を、そしてその延長の世界のあちらこちらにあたたかいごはんと穏やかな眠りを。