「BOYCOTT RHYTHM MACHINE」(V.A./渋さ知らズDCPRGROVO、南博トリオ、ほか)というCDをかいました。いろいろ盛り沢山の本篇も素晴らしいのですが、タワーレコード限定の付録、十月一日新宿ピットインの渋さ知らズのライヴ演奏が特典なのだ! とかくわたしは「犬姫」に惚れてここまできているのだけど、この日のこの曲、須賀さんのピアノだったり高岡さんのベース(チューバ)だったり、緻密かつアクロバティックな打楽器が幸福を刻む音だったり、あの夜の渾然一体とした共犯的な空気の反芻と相俟って、真夜中の永遠ループのあいだじゅう、ハッとしてじゅんとして、人生が転げていくのを感じて、そしてすっかり興奮したわたしはひどく腹をすかせていた。ほんとうにここ最近のわたしのからだは正直だ。

日当たりだけが取柄の素寒貧ハタリハウス暮らしも、暮れで丸六年。追い出される覚悟でのぞんだ交渉も無事に三度目の契約更新を迎えられそうで、そろそろこころを入れ替えて二年ぶりに住居保険を払おうと思う。なくして惜しいものなんてこの家にはないけれど、やはりそれでも火事と泥棒はこわい。吉祥寺の町に転がり込んだのはもっと前のことで、そろそろこの町に飽きてもいい頃合なのに、突然、近所にJA農協のアンテナショップが出来ていた。またこの町を出る理由が減ってしまったということだ。