帰国からいまだ十日足らず、リハビリなんて調子のよいことをスイースイッとぬかしながら、横丁焼鳥、富士そば、銭湯と、骨の髄まで宇宙日本武蔵野を堪能している平和な日日。かつての生活ペースを守ろうとして不安気だった三日間はとうに過ぎ、おいしいごはんと毎夜の白波が無邪気な安定を呼び込んでいる。手放しでヤッホー!と叫ぶほどにはかわいげが足らない超生活主義者のわたしではあるけれど、畳の生活、このかんじはやっぱりうれしい。

そんな平穏でのんきな時代でありながらも、秋の足音に急かされながらお仕事スイッチが発動。働き盛りの妙齢女子ですもの、分別と慎みと愛嬌といかしたアイディアを武器にそろそろ動き出します。長らく開店休業だったハタリブックスも看板を磨いてのれんを下げてあなたのお越しをお待ちしています。右手にペンを、左手にお盆を持って、にっこり笑って、いらっしゃいませ!