さよなら! 交通博物館

htr2006-05-08

今日もいちにち出発進行! 指差し確認、人生オーライ? こんにちは、スイッチバックに身悶えする妙齢女子ミスハタリです。雨ふる月曜日の午後は、八十五年の歴史に幕を下ろして今月半ばで閉館してしまう神田万世橋の「交通博物館」へデートです。お相手は誰? 列車です。線路です。信号です。デゴイチです。枕木です。クハ209です。パンタグラフです。

鉄道がすきだというひとは世に多く、連休明けの月曜日だというのに、やはりここにもたくさんのチビッコと大人たちが集まっていた。文字通りに老若男女さまざまな客層、その最大公約数が鉄キチ指数。この交通博物館、保存車両や鉄道模型の展示が充実している上に、説明解説も丁寧、実際に体験可能なシュミレーターも多くて、数時間ですべて観るのは難しい。何時間いても飽きない。電力を作動させパンタグラフ(電車の上についているひし形のアレ)の上げ下げまでできるシュミレーターを実際に触ってみたけれど、目の前で音を立てて車輪が回り出すと一気に盛り上がる昂揚感。緊張して体毛が逆立って猫背になってしまった。すっかり興奮のハタリ運転手、すでに人生が脱輪しています。

興奮を引きずって神田駅まで歩き、駅近くの焼鳥屋でビールと串焼き。昨年スイスのルッツェルンという町に寄った時のこと、その町には立派な交通博物館があって、残念ながらその日は休館日だったのだけれども、大きなガラス越しにたくさんの列車を観ることができた。あのときのワクワクを思い出して、わたしは過去の記憶にドギマギした。スイスで乗ることができたアルプスを走るベルニナ急行! アウトバーンを併走していたドイツの超特急ICE、ロシアの平原を延々走り続けた夜行列車、真夜中のホームで踊ったり体操をしたこと、イタリアで出会ったいいかげんな車掌さん、ああ! ああ! もちろん日本の列車も大好きだ。岩手の山田線や青森の五能線、ムーンライト車内に満ちた真夜中の奇妙な一体感や、駅員が描いた歪んだキティちゃんのポスターなんかも実に愛らしい。いつも乗る中央線だって大事な鉄道だ。この中央線、年末に新車に替わる予定だという。おなじみの「オレンジ色の電車」201系が消えるとは、ちょっとセンチメンタルなハナシではないか。

神田の交通博物館はまもなく閉館するけれど、その資料は大宮に移転して来年十月の「鉄道の日」に新しく開館するそうです。

交通博物館 http://www.kouhaku.or.jp/