Americo オンナコドモのロケンロール

htr2006-05-25

ミスハタリはオンナコドモがすきだ。だからミスハタリは、フランソワ・トリュフォージャック・ドゥミの映画がとてもすきだ。トリュフォーもドゥミも、オンナコドモが好きで好きで好きで好きで、その挙句、きちんとオンナコドモから手厳しい仕打ちを受けたりもしている。その仕打ちも含めてオンナコドモを愛しているのだ。これは、『ピアニストを撃て』や『隣の女』や『思春期』や、アニエス・ヴァルダのことですけどね。オンナコドモってそういうことよ。

トリュフォーの監督作に『逃げ去る恋』という、アントワーヌ・ドワネル君の大冒険、最終章の映画がある。たこれはオンナコドモを愛した男のひとつのグダグダな着地点で、その着地こそ愛すべきものだ。この「逃げ去る恋」、Americoというバンドの曲にも使われている。五月のある日、郵便受に黄色い封筒が届いた。西岡由美子さんからAmericoのファーストCDR「Little Miss Drama」をいただいたのだ。イルカッフェでラムバックをのんでいた西岡さんとのおしゃべりは、それほど長話ではなかったけれど、肌馴染みのよい声と言葉遣いと、品の良いヤンキー魂を感じとって、わたしは恋に落ちていた。いただいた音源はまさしくオンナコドモのロックだった。「オンナコドモ」というのは、クマの顔をしてくつろいでいるぶよぶよしたキャラクターなんかを言うのではないよ。一曲目「Mister Donuts」の最初のシャウトからして、「ギャー! ロック! かわいい!」。ベースの音にもたれかかりながら金色のドレスを着て立っている西岡由美子さん、まだ見たことはないけれど、そんな姿が浮かんできた。

ところで、西岡さんの日記を読んでいると、「円盤」にCDを買いに来た中学生の女の子が、「今かかってる曲、かわいい…」と勇気をふりしぼって西岡さんに言ってくれたという話が出てきたのを読んで、その小さなオンナコドモのことがたまらなくかわいく思えた。いいなあ、いい話だなあ。四曲入りの五百円のCDRだったら、小さい人にだって月々のお小遣いで買おうと思ってもらえるもんなあ。ちょうど同じようなことを思いついていたところだったので、そのナイスアイディアにわたしはずいぶんと勇気づけらたのだった。

====================

Americo http://homepage2.nifty.com/lulu-san/