nununununu

htr2006-06-21

あのひとが同じ一九七六年生まれだと知っただけで勇気づけられる、そんな「76年生まれ」が周りに増えてきて世の中が愉しくなってきた。その「76年生まれ」、編集者でありデザイナーであり音楽家でもある戸塚泰雄さんとの出会いは「驚き」と「納得」のサンドイッチだった。世界には同時多発でいろいろな物事がシンクロして起こっているのだけれども、中央線界隈でちょっと不思議な毛色の「あったらうれしいな」という本を「わざわざ」作っている同志として、お会いしたのがこの春のこと。戸塚さんがひとりで編集・デザイン・営業を手がける「nu」はレコード屋で見かけたことがあった。さらにもっと以前、数年前に、高円寺の円盤でライヴを観たことがあるんじゃないかと思い出した。戸塚さんはものすごく真っ当なナリをした青年なのだけれども、どうも「nu」の編集の仕方、企画の拾い上げ方、打ち合わせのときの馬鹿正直にふざけた意見などを見て取るに、実のところは彼はものすごく足を踏み外してしまったひとなのだろうとわたしは思っている。路肩に片足を預けながらやみくもに走る癖のあるハタリブックスとしては、とても勇気づけられる存在なのだ。

その戸塚さんが自費出版している「nu」、第二号がめでたく発売したそうです。時間や進行と戦いながらも、「あっ、また負担が増えてしまうけれど、これをやったらさらに面白くなるんじゃないか」と、入稿の段になってから新企画を投入するような、そういう編集者のアタマのなかには温泉がわいているとわたしは思っている。その温泉の効能は、かたくなにスケジュールを守っていた企画をドロンドロンに溶かすほどに面白かったりするから憎らしい。ざっとコンテンツを見ただけでも、前号の岸野雄一さんと宇川直宏さんの対談みたいに、ええっ、このふたりが交わるんだ! と、改めて驚くような、気になる取り合わせが並んでいます。書店やレコード屋での販売のほか、通販も行なっているそうですよ。

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