いつもの町と夜と渋さ知らズ

htr2006-11-05

奇数月五日定例の「渋さ知らズ劇場」、マンダラセカンドへ。すこし遅れて中に入るとファンクな「反町鬼郎」の演奏中だった。京都ツアーとレコーディングを終えたばかりでメンバーはおそらくお疲れのご様子、こういうときにこそ観られるのが実に面白いライヴだ。この日も期待通り、スガダイローさんのピアノが跳ね(鍵盤を「弾く」というのが「はじける」という意味だとよくわかる奔放さ)、フロントにゾロリと並んだ管楽器の多種多様な個性(共通項はどれも適度にふざけているということ)、磯部さんの端正なドラミングと倉持さんの階段を五階まで全速力で駆け上がるようなタイコ叩き、真理さんのしなやかなパーカッション、あやさんの強くて柔らかい声、そして色気のあるベースラインと、すべての音がグシャグシャと前線で殴りあいの喧嘩をしている様子。それは殺気立ったにらみ合いとは違って、犬同士がルールを作り出すために互いのシッポを噛み合っているうちに意地の張り合いになってきてマウントをとるかとられるか、そんなかんじの無邪気さとやけくそ感が疾走。せまいステージ上に演奏者のキャラクターが際立っていた面白いライヴでした。現場に強い音楽ってのはやっぱり頼もしい。