鬼頭 哲 ブラスバンド 「merry!!」

ベルンのフリマで4ユーロ

名古屋は今池プラスチック・ファクトリー。その名の通り、かつてプラスチック製品の製造工場だったその場所は、ラーメン屋の隣のトンネルを抜けた先にある隠れ部屋のようなスペース。今回、鬼頭 哲 ブラスバンド のワンマンライヴは、この隠れ部屋で友人知人を招いたパーティのような宴といった雰囲気で行ないました。天井の高い空間を光のオブジェや数々のキャンドルが照らし、演奏するバンドメンバーも立ち見のお客さまも、みなところせましとギュウギュウにからだを寄せ合って、どこまでがステージでどこからが客席かなんて考えるのはナンセンスなくらいの親しみある空気のもと、アコースティックなブラスの音色が心地よく響く陽気な宴となりました。

 

前回の「十月の絶唱」がホールでの着席公演だったので、今回はあえて小さなスペースで「パーティ」仕立てのライヴをお送りしようという目論みだったのでしたが、これが功を奏したのは、予想していた以上に音響が良い空間だったこと、演奏を観るというより音楽を楽しもうと気軽な気もちでお越しいただいたお客さまが多かったこと、そしてどんな場でもハッピーな音を出せるだけの柔軟さを身につけたバンドの性格ではないかと思います。オーナーのハインツさんと奥様のおふたりもバーカウンタの中で踊りながらドリンクをサーブしてくださいました。、ふだんは真夜中のDJブースから流れるダンスミュージックを耳にお仕事をされているそうですが、日曜日の宵の口に開かれた鬼頭ブラスの「陽気なパーティ=merry!!」にはしゃいでいただけた様子です。目に見えるもの、耳に聴こえるもの、そして肌で感じるものすべてが、あなたにとって幸せな日常の一部となりますように。それが鬼頭ブラスが作り出したい「風景」。ご来場いただいたお客さま、どうもありがとうございました。そして来年もどうぞよろしくお願いします。

ところで、この日のバンド内ドレスコードは「赤×白」か「赤×黒」だったのですが、わたし自身はクリスマスを意識して赤地に白い十字が入ったスイス国旗のTシャツと黒いホットパンツをはいていました。わたしを見たスイス出身のハインツさんが「わあ!」と喜んでくれたのがうれしかったです。

鬼頭 哲 ブラスバンド http://kito-akira.com/brassband