高木正勝―誰かとわたしのノスタルジー

masakatsu takagi ”air’s note”

高木正勝さんのことを知ったのは、世の多分にもれず、数年前のこと。たしか『rehome』がW+K東京LABからリリースされるすこし前のことで、きっと二〇〇二年の終わり頃のことだったとおもう。そのころ雑誌編集部で働いてたわたしは、いただきもののサンプル盤の白いCDRを何度も何度もくりかえし聴いていた。アンビエントエレクトロニカ、女の子のキュートなウィスパーボイスそれはなんとでも言えるものだったのだろうけれども、いつも耳に残るのはどこか懐かしく心地よいメロディラインだった。同じ時期に出た『rehome』と『sail』、この二枚を聴き比べると、もちろんいたるところに同じ人間の体温を感じる音楽ではあるのだけれども、曲数分だけの風景画―それはセルのように半透明な風景画で、それぞれが互いに重なり合ってあるイメージを生みだすように感じられた。そのころのわたしは、音楽に関しては専門的な判断力も知識も何も持っていなく、いまだにその稚拙な耳のままなのだけど、ただ自分の「耳に心地よいか」ということ、聴こえてくる音が「身体性をもつかどうか」で好みのレコードを選り分けていた。そんな幼いわたしの心にグッと響いたのが、高木正勝

(修正時の保存ミスでこのつづきの文章はどこかにいってしまいました/一月十一日午前二時)