台北・安全な散歩 6 台北商旅慶城館

さて、もうひとつ台北のすてきホテルをご紹介。「台北商旅 慶城館(レ・スイーツ・タイペイ・チン・チェン Les suites taipei Ching Cheng)」。こちらはMRT木柵線の南京東路站(駅)から徒歩すぐ、便利な立地にある、あらゆる意味でスマートなホテル。ここは台湾で二軒のみの「Small Luxury Hotels of the World」のメンバー(もう一軒は同じ系列の「台北商旅 大安館」。ちなみにいまのところ日本のホテルは一軒も認定されていません)。その名の通り、シンプルながらも気の利いたデザインと、スマートなサービスが受けられました。

旅の計画を立てるときに、まず重視したのがホテル選び。台湾に関する情報がまったくないところからはじめたので、まずは一般的な観光ブックや情報サイト、旅行代理店のパンフレットの情報や写真をもとにいくつか候補を挙げていました。良さそうと思うホテルがあると、次に個人サイトやブログを覗いて口コミの評判を見て、「んー、この老舗は個人客にとっては立地が不便そうね」だとか「んー、団体の観光客が多そうだな」とか「DFSには用は無いなあ」と、自分たちの目的にあったホテルを、どちらかというと消去法で探していきます。泊まりたいのは「できるかぎり観光客が少なく」て「ホテル滞在時間を楽しめ」て「シンプルでおしゃれ」で「ごはんがおいしい」。いわゆる観光ガイドにはまったく出てこなかった台北商旅が検索画面に姿を現わしたときは、パソコンの前でつい「ばんざーい」と声をあげてしまいました。

まず館内に入るとすぐにフロント。わたしたちは前泊した「欧華酒店」をチェックアウトしてすぐこちらに向かったので、着いたのは午前十時。チェックイン前に荷物だけ預けようとホテルに寄っただけだったのだけど、いま空いている部屋があるというので通していただけた。フロントのお兄さんは流暢な英語を話し、ホテルの雰囲気ともよく合っている。一階のパブリックスペースやライブラリーを案内していただいてから、部屋のカードキーを通さないと動かないエレベーターで三階へ。館内には一般用のレストランやバーを設けていないので、カードキーを持つ宿泊者しか階上には行けないのだ。玄関すぐのフロントといい、防犯もバッチリ。

お部屋はスーペリアになるのかな、このホテルのベッドはほとんどがキングサイズらしいのだけど、予約時に母娘の二人と伝えてあったので、シングルベッドが二つになっていました。お部屋は意外と広い。

部屋に荷物を置いてすぐ出るはずだったのに、あまりのすばらしさに、キャーとはしゃいでしまったハタリ親子。ウェルカムフルーツあり、お茶をのむための鉄製の中国茶器もある。「商旅」というホテル名の通り、ビジネス仕様のデスクも大きく、もちろん無線LAN付き。ベッドもソファもカーテンもシックな色あいで、照明もすてき。壁には大きな額に入った写真が飾られてる。デスクには持ち出し可能な携帯電話があったり、引き出しには「Small Luxury Hotels of the World」のブックが入っていたり、ルームサービスのメニューはレシピつきのおしゃれな写真集になっていたり、いちいち素敵。デザイナーの呉忠岳氏によるデザインだそうです。

 

そしてバスルーム! シャワーブースと湯船が別々だ。うれしい! バスルームでは音楽も聴けるのでゆっくり長湯を楽しめるのだ。アメニティもオリジナルですてき。おしゃれすぎてゴミ箱がどこかわからないよ!

 

部屋を出て一階に戻り、パブリックスペースのパソコンでメールチェック。日本語対応のパソコンもあるのが助かります。全体的に照明が暗めで静か。飾られている草花もシックかつアヴァンギャルド

 
 

外出するのがもったいなーい、と思ってしまうようなホテル。見事に心わしづかみ! その後お出かけをして、夕方過ぎに戻ってくると、部屋にオーナーからのメッセージカードが飾られていた。ウェルカムフルーツのソルダムはとても甘くておいしかった! パソコンのあるパブリックスペースとはまた別のお部屋はライブラリーになっていて、新聞や雑誌、写真集や本を読みながらお茶とクッキーをいただけるというゆるやかなスペース。こちらも間接照明で穏やかな空間になっていて、ヨーロッパからのご夫婦や女の子が思い思いにお茶を飲んでいました。もちろんお部屋のお風呂もベッドも気もちがいいし、台北滞在最後の夜を、ママハタリとハタリはゆったりとすごす事ができました。ああ、こんなホテルが東京にもあったらいいのに(近い印象を持っているホテルはいくつかあるけれどもね)。

朝食は一階のカフェとライブラリのスペースでビュッフェ。こちらでもフルーツやチーズ、パンの種類が豊富。欧米からのビジネスマン向きのメニューでした。パン好きのハタリ親子にとっては、またこれがヒット。おいしい、というより、うれしい。サラダや前菜が小さな白い器に入っているのもかわいらしく、大きなガラス窓から小さな中庭が見えて、ホテルの一部というよりもここだけでひとつのカフェのよう。テーブルには今日のお天気が印刷されたミニカードが。こちらのホテル、カード類もおしゃれでとてもすてきなのだ。

こうなると、台北にいるのか東京にいるのかベルンにいるのかパリにいるのかケルンにいるのかわからなくなってくるね。「ザ・台湾」の観光気分にこだわらないなら、絶対におすすめなラグジュアリーなホテル。また台北に行く機会があったら、やっぱりここに泊まりたいなあ、と思っています。

【台北商旅 慶城館】 台北市慶城街12號 →台北ナビの紹介ページ


台北・安全な散歩 2007】
1 台風と旅支度  2 出発 3 欧華酒店 4 町と食欲 5 町と好奇心 6 台北商旅慶城館 7 猫カフェにて 8 小龍包と女の子 9 台湾新幹線 10 帰国